線路に設置した特殊な装置を通過することで車輪の間隔を変え、レールの幅が異なる新幹線と在来線の両方を走行できる車両。1997年から本格的な研究が始まり、約500億円の開発費が投じられた。九州新幹線長崎ルートのほか、北陸新幹線の新大阪延伸開業までのつなぎとして採用する構想もあるが、JR西日本は6月、2023年春ごろに予定される金沢―敦賀(福井県)開業時の導入は困難との認識を示した。
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軌間可変電車。レールの幅にあわせて自動的に車輪間隔を変える電車である。フリーゲージトレインfree gauge trainは和製英語で、その頭文字をとり、FGTともいう。JRの新幹線区間と在来線区間を直通運転することを目的に、鉄道総合技術研究所が1994年(平成6)に開発に着手し、1998年10月に試験車両を完成させた。新幹線の1435ミリメートルの標準軌区間と在来線の1067ミリメートルの狭軌区間を軌間変換軌道という特殊な軌道で結び、電車はこの上を通過するだけで自動的に車輪間隔を変える。試験電車の最高速度は新幹線区間が時速300キロメートル、在来線区間が130キロメートル。1999年1月に山陰線の米子~安来間の狭軌で時速100キロメートルの走行試験を行い、同年4月からアメリカ・コロラド州プエブロ市にある実験線で標準軌での高速試験に入った。実用化されれば、在来線しか通っていない地方都市への所要時間が大幅に短縮されるほか、整備新幹線への導入も見込まれる。
[編集部]
(平栗大地 朝日新聞記者 / 松村北斗 朝日新聞記者 / 2007年)
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