アメリカ合衆国カリフォルニア州中部の都市。人口46万1116(2005)。肥沃な灌漑農業地帯であるサン・ウォーキン・バレーの中心都市で,同バレー東側にあり国道99号線に沿う。野菜,果物,綿花などの生産地で,とくにブドウ栽培が盛んである。〈サン・メード・レーズン〉で知られる世界的な干しブドウの産地であるほか,ワイン醸造,酪製品などの農産加工業の中心である。州立大学をもつ文化の中心でもあり,ヨセミテ,セコイア,キングズ・キャニオンなどの国立公園への玄関口にもあたる。1860年ころに白人がここに入植するまではヤクート・インディアンの土地であった。72年にサザン・パシフィック鉄道の駅が建設され,灌漑農業の発達とともに成長してきた。市名はスペイン語でトネリコを意味し,オレゴン・トネリコFraxinus oregonaが自生していたためつけられたともいわれる。
執筆者:矢ヶ崎 典隆
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