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フレーベル フレーベルFröbel, Friedrich (Wilhelm August)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

フレーベル
Fröbel, Friedrich (Wilhelm August)

[生]1782.4.21. チューリンゲン
[没]1852.6.21. マリエンタール
ドイツの教育家,幼稚園の創始者。イェナ大学に学び,1805年ペスタロッチの弟子 A.グルーナーのすすめで小学校教師となった。ペスタロッチをたずねて教えを受け,その後ゲッティンゲン大学,ベルリン大学に学ぶ。 35歳でカイルハウにペスタロッチ主義の学園を開く。 56歳のときブランケンブルクに建てた学園は,幼稚園 Kindergarten (1840年以後の名称) のもととなった。幼児教育上遊戯を重んじ,恩物と呼ばれる遊具を考案。主著『人間の教育』 Die Menschenerziehung (26) ,『母の歌と愛撫の歌』 Mutter-und Koselieder (44) 。

フレーベル
Fröbel, Julius

[生]1805.7.16. シュタットイルム近郊グリースハイム
[没]1893.11.6. チューリヒ
ドイツの政治家。チューリヒ大学教授をつとめたのち,1848年フランクフルト国民議会に選出され,R.ブルムとともに左派を指導,ウィーンの反革命に際し,同地におもむき捕えられ,死刑の宣告を受けたが許されて,49~57年アメリカに亡命。 62年以後はウィーンにあって,オーストリアの大ドイツ主義に基づくドイツ連邦政策に尽力。のち帰国して,73~89年スミルナ,アルジェリアの領事。

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デジタル大辞泉の解説

フレーベル(Friedrich Wilhelm August Fröbel)

[1782~1852]ドイツの教育者。世界最初の幼稚園を設立。幼児の創造性を育てるための教育玩具を創作し、恩物(おんぶつ)と名づけた。主著「人間の教育」。

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百科事典マイペディアの解説

フレーベル

ドイツの教育家幼稚園教育の開拓者。ペスタロッチに師事し新教育運動に志す。生活・労作・遊戯など児童の内発的自己活動を重視,恩物を考案。統一的人格の基体としての幼児期に注目し,1837年世界最初の幼稚園を開いた。
→関連項目積木幼児教育

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世界大百科事典 第2版の解説

フレーベル【Friedrich Wilhelm August Fröbel】

1782‐1852
ドイツの教育家,幼稚園の創設者。チューリンゲンの片いなかに牧師の末子として生まれたが,生後9ヵ月で母を失い,寂しい幼年時代を送った。イェーナ大学で自然諸科学を中心に学びながらドイツ・ロマン主義の思潮にも触れたが,このことは後の教育思想の形成に大きく影響した。1805年,23歳のとき,当初建築家志望だったフレーベルは,偶然の機会からフランクフルトのペスタロッチ主義の模範学校の教師となったが,そこで教育の仕事に天職を感じとり,その生涯が方向づけられた。

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大辞林 第三版の解説

フレーベル【Friedrich Wilhelm August Fröbel】

1782~1852) ドイツの教育家。世界最初の幼稚園を創設。児童の遊戯・作業を通じて個人的要求を社会的に方向づける、生活即教育の立場をとった。主著「人間の教育」 → 恩物

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

フレーベル
ふれーべる
Friedrich Wilhelm August Frbel
(1782―1852)

ドイツの教育者、教育思想家。敬虔(けいけん)派の牧師の子に生まれ、幼少時より自然とそれを貫く自然の秩序の意識に目覚め、やがて、この秩序に通ずる人間個々人の精神の十全な発展を理想として、幼児教育に生涯を捧(ささ)げた。「幼稚園」の創始者として知られる。
 林務官の徒弟として実生活に踏み出したが、さらにイエナ大学で学び、当時のドイツ・ロマン主義思想の雰囲気を享受した。やがて学校教師となり、ペスタロッチの学園を訪ねる(1805)などして、しだいに教育に親しむようになった。その後ゲッティンゲン大学、ベルリン大学で鉱物学、結晶学などを学び、ベルリン大学の鉱物館助手などを務めたが、結局1816年、34歳のときにグリースハイムに1農家を借りて「一般ドイツ教育所」という学校を始め、やがてカイルハウに移って教育活動を続けた。この体験を基に1826年『人間の教育』を著した。これは神と自然と人間とを貫く神的統一の理念と、人間にその統一を実現させるための「自己活動」と「労作」の原理を中心として、教育全般にわたる抱負と計画とを論述したものである。
 やがて、とくに幼児教育と、その重要さを女性や家庭に訴えることとに専念するようになり、1837年ブランケンブルクに「自己教授と自己教育に導く直観教授の施設」を創設、子供の「遊戯」を重んじて独特の遊具を考案し、それを「恩物」Gabeとよんだ。「恩物」とは万物の神的な統一を象徴し、子供を自然にその統一の認識に導く、神からの賜物(たまもの)という意味である。さらに彼はここに「遊戯および作業教育所」を併設し、それを「幼児園」Kindergartenとよんだ(1840)。これがやがて世界に広がった「幼稚園」の始まりであるが、この幼稚園の思想は、当初は政治上および宗教上の理由で厳しい弾圧を経験し、むしろフレーベルの死後、マレンホルツ・ビューロー夫人Baroness Bertha von Marenholtz-Blow(1810―1893)やディースターベークFriedrich A. W. Diesterweg(1790―1866)の努力によってイギリス、フランスなどの外国から広がった。日本では1876年(明治9)アメリカの思潮の影響下に、東京女子師範学校(現、お茶の水女子大学)の付属として設立されたのが最初である。[村井 実]
『岩崎次男訳『人間の教育』全2冊(1960・明治図書出版) ▽長田新訳『フレーベル自伝』(岩波文庫)』

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世界大百科事典内のフレーベルの言及

【折紙】より

…つまり手品の材料に折紙が使われたということである。レグマンの探索レポートには1870年代の話が出ているが,これよりずっと以前,折紙遊びは海外へ伝えられていたことは確かで,幼稚園教育の創始者F.フレーベルが幼児教材(恩物(おんぶつ))の一つにこれを採用していることからもそれは明らかである。ここで注目すべきは,フレーベルの恩物への採択主旨が,初等幾何の基本教材としての評価による点である。…

【恩物】より

…幼稚園の創始者フレーベルが1830年代に考案製作した一連の教育的遊具。ドイツ語ガーベGabeの訳語で,神から授けられたものという意味の語であり,彼の独自な宗教的世界観と,子どもの自己活動的な遊びを重視する教育思想とに深く結びついている。…

【学校】より


[産業革命と学校]
 一方,中世末期以来,手工業の発展とともに,同業組合学校や徒弟学校,さらに実科学校などが設置されるようになっていたが,学校が特定の上層階級の人のものでなく,広く一般民衆にとっても必要不可欠の存在とみられるようになるのは,産業革命に続く19世紀中葉のナショナリズムの高揚をまたなければならなかった。フレーベルは,人間は少年時代になると〈学校の人Schüler〉になるといった(日本では中国渡来の〈学童〉の語を,明治以来小学生にあてた)。彼によれば,学校は〈人間が自己の外にある事物やその本質を,それらに内在している特殊な法則や普遍的な法則に従って認識するように導かれるところであり,またその認識に到達するところ〉である。…

【玩具】より

…一方,外国においても,玩具を表す言葉,たとえば英語のtoyには〈くだらないもの〉,フランス語jouetには〈わらいものになる〉という意味がある。18世紀ころから,子どもの人権を認める風潮がしだいに生まれ,玩具の教育的意義づけがされる中で,ドイツのF.フレーベルは自らの考案した玩具を〈ガーベGabe(恩物)〉と呼んだり,イタリアのM.モンテッソリはやはり自ら開発した玩具を〈マテリアmateria(教具)〉と表現したりした。日本でも,明治中期に〈教育玩具〉という言葉が生まれている。…

【宗教教育】より

…1555年のアウクスブルクの宗教和議や98年のナントの王令により不十分ながらも信仰の自由がみとめられ,ドイツでは領邦君主の信仰に応じてその保護の下に宗派教育が行われた。 宗教教育を教育の核に据えた18~19世紀の教育者にペスタロッチやフレーベルがいる。彼らは教育による社会の改善,民衆の解放と生活向上を意図したもので,三十年戦争によって荒廃したヨーロッパにあって教育の普及による平和な社会の実現,国際平和の実現を願ったチェコスロバキアの大教育学者コメニウスの系譜をひくものである。…

【積木】より

…ホオノキ,カツラなどの木片を着色して,描画した家や乗物などのセットになっているものが多く市販されている。積木はフレーベル以前にもおもちゃとしてあったと考えられるが,彼が1830年代に20種類の恩物を考案制作し,そのなかの第3恩物から第6恩物までに積木を取り入れている。恩物としての積木は着色せず,生地のままのもので,そのなかでもフレーベルの積木,イタリアの女流教育家であったモンテッソリ考案のもの,またイギリスのヒルの積木などが有名である。…

※「フレーベル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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