日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブロイヤー」の意味・わかりやすい解説
ブロイヤー
ぶろいやー
Marcel Breuer
(1902―1981)
ハンガリー出身のアメリカの建築家、家具デザイナー。ベッチに生まれる。ドイツに出てデッサウのバウハウスの第一期生(1920~25)として学ぶ。そこで教師となり、以後グロピウスと生涯の行をほぼともにする。バウハウスでは家具デザインを担当し、鋼パイプや成型合板による有名な一連の椅子(いす)を考案。1928年デッサウからベルリンに行き、設計事務所を開くが、ナチスの台頭でロンドンに亡命、37年グロピウスによばれて渡米、彼の下でハーバード大学建築科で教鞭(きょうべん)をとった。46年ニューヨークに進出、構造躯体(くたい)を建築の表現基盤とする傾向など、近代デザインを代表する存在として国際的になる。ニューヨークに没。主要設計にパリのユネスコ本部(1957、ネルビ、ゼールフュスと共同)、ミネソタ州カレッジビルのセント・ジョン教会(1961)、ニューヨーク大学(1961)、ニューヨークのホイットニー美術館(1966)などがある。
[高見堅志郎]