カナダの実験物理学者。アルバータ州生まれ。第二次世界大戦が終わるまでの6年間はカナダ海軍で無線関係の仕事をして、大戦終了後にブリティッシュ・コロンビア大学で物理学と数学を中心に学び、1947年に卒業。トロント大学の低温研究所で大学院生として研究を続ける。研究テーマは、低温と高温での実験を含む固体物理学。1948年に修士、1950年に博士の学位を取得した。その後、チョークリバー原子核研究所で、電気を帯びていない粒子である中性子を他の物質に当て、その物質を構成する粒子がどのような運動をしているかを探る手法を開発した。中性子を固体や液体に当てると、その物質の構成粒子にぶつかって速度が変わる「中性子散乱」がおきるが、その変わり方を詳細に調べることで、構成粒子である原子の動き、たとえば原子ひとつひとつの振動や原子集団の振動などがわかる。1962年から1984年まで、ハミルトンにあるマクマスター大学の教授を務めた。中性子分光学を開発した業績で、同じく中性子散乱を使って原子の正確な位置を観察する手法を編み出したC・シャルとともに、1994年のノーベル物理学賞を受賞した。
[馬場錬成]
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