ブロモメタン(読み)ぶろもめたん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブロモメタン」の意味・わかりやすい解説

ブロモメタン
ぶろもめたん
bromomethane

ハロゲン化アルキルの一つ。メタンの水素原子1個を臭素原子に置換したもの。臭化メチルメチルブロミドともよぶ。クロロホルム様の臭気をもつガスである。水には約2%溶け、有機溶媒にはよく溶ける。

 メタノールメチルアルコール)に臭化水素酸と少量の硫酸を加えて蒸留すれば得られる。


 玄米小麦、耕土の燻蒸(くんじょう)剤や精油抽出剤に用いられる。許容濃度15ppm。ガスを吸入すると頭痛めまいなどをおこす。

[加治有恒]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

化学辞典 第2版 「ブロモメタン」の解説

ブロモメタン
ブロモメタン
bromomethane

methyl bromide.CH3Br(94.95).臭化メチルともいう.硫酸の存在下,メタノールを臭化水素酸または臭化ナトリウムで臭素化すると得られる.クロロホルム様の臭気をもち,無色で揮発性の液体または気体.融点-94 ℃,沸点4.5 ℃.1.732.有機溶媒に易溶,水に不溶.空気中では非引火性であり,安定で腐食性がない.有機合成におけるメチル化試薬である.玄米,小麦そのほかの燻蒸剤害虫の防除剤,除草剤として広く用いられている.眼を刺激し,皮膚に水泡を生じるなど,毒性の強い有機ハロゲン化物の一つである.許容濃度は長期で5 ppm,短期で15 ppm.[CAS 74-83-9]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

栄養・生化学辞典 「ブロモメタン」の解説

ブロモメタン

 CH3Br (mw94.94).臭化メチルともいう.油脂の抽出剤,駆虫のための燻煙剤として使われる.

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

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