アルゼンチンの小説家。初め映画監督、シナリオ作家を志したが挫折(ざせつ)し、小説に転向、処女作『リタ・ヘイワースの背信』(1968)によって世に認められた。『赤い唇』(1969)の次に書いた第三作『ブエノスアイレス事件』(1973)が発禁処分となり、国外亡命を余儀なくされ、以後メキシコ、ニューヨーク、リオ・デ・ジャネイロと移りながら、『蜘蛛女(くもおんな)のキス』(1976)、『天使の恥部』(1979)、『この書を読む者に呪(のろ)いあれ』(1980)、『報われた血の愛』(1982)などの話題作を発表し、話しことばを軸にした多様な言語表現による小説が注目されている。戯曲に『星のマントの下で』(1983)がある。
[内田吉彦]
『内田吉彦訳『ラテンアメリカ文学叢書15 リタ・ヘイワースの背信』(1980・国書刊行会)』
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