プッサン(英語表記)Poussin

翻訳|poussin

百科事典マイペディアの解説

プッサン

フランス17世紀の代表的画家。ノルマンディー地方のレザンドリ生れ。1624年ローマに行き,1640年―1642年ルイ13世に招かれてパリに帰ったほかは,終生ローマで活動した。ラファエロや古代芸術を理想とし,歴史や宗教,神話に題材を求めて古典世界の絵画的再現を志向,その正確なデッサンと明快でゆるぎない構成は19世紀古典主義絵画の手本となった。背景に描かれた風景は理想主義的風景画の典型とされる。代表作に《フロラの勝利》(1627年―1628年,ルーブル美術館蔵),《アルカディアの牧人》(1639年ころ,同美術館蔵),連作《四季》(1660年―1664年,同美術館蔵)などがある。
→関連項目エルスハイマー古典主義ターナードメニキーノバロックベルネミニャールル・ブランロラン

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世界大百科事典 第2版の解説

プッサン【Louis de la Vallée Poussin】

1869‐1937
ベルギーの仏教学者。1893年よりヘント大学のギリシア語ラテン語の教授を務め,のち仏教学,とくに大乗仏教の論書の研究に転じた。サンスクリットチベット語,古典中国語に通じ,あらゆる資料を批判的に用いる今日の仏教学の方法を確立した一人である。《プラサンナパダー》の校訂(1913),《アビダルマコーシャ》の翻訳(1923‐31),《成唯識論》の古典中国語からの翻訳(1928)などがある。またケンブリッジ大学所蔵ジャイナ教文献目録,M.A.スタイン収集の中央アジア出土チベット仏典の目録を作成した。

プッサン【Nicolas Poussin】

1594‐1665
フランスの画家。近世フランス絵画の父とされる。ノルマンディー地方のレザンドリLes Andelys生れ。父は地方貴族の出で,アンリ4世の戦役にも参加した。1612年この町を訪れた画家バランQ.Varinに出会う。12‐21年が修業時代で,ジュブネN.Jouvenetのアトリエに出入りしたが,かなり早く(おそらく1612年ごろ)パリに出てラルマンL.G.Lallemand(Lallemant)等に学んだといわれる。

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世界大百科事典内のプッサンの言及

【古典主義】より

…16世紀末,ボローニャでA.カラッチがアカデミーを創設して古典主義の復興を試み,レーニ,ドメニキーノなどを生み出したが,長くは続かず,古典主義は17世紀のフランスに移植されて大きな成果をもたらした。建築では,S.deブロス,F.マンサール,彫刻ではジラルドンなどがその成立に貢献したが,とくに絵画において,ル・シュウール,G.deラ・トゥール,ル・ナン兄弟,それにバロックの中心であったローマでもっぱら活躍したN.プッサン,クロード・ロランなどによって,深い精神性と静謐な調和に満ちた絵画様式が,しだいに形づくられていった。なかでも,30歳以降のほとんどの時期をローマで過ごしたプッサンは,初期にはバロック的傾向も強く残していたが,やがて古代の思い出と,厳しい構成感覚とがみごとに融け合った堂々たる古典主義様式(《アルカディアの羊飼い》等)を完成した。…

【パラディオ主義】より

…たとえば,公共建築などで中央にドームのある主屋,両脇に低い翼部を配するといった構成は,彼の手法そのままであり,〈異人館〉の開放的ベランダなども,もとは彼の手法から出ている。建築以外の分野でもパラディオの影響には無視しえないものがあり,絵画におけるN.プッサンやルーベンス,文学におけるゲーテなどは,いずれも熱心なパラディオ主義者であった。【福田 晴虔】。…

【バロック美術】より

…これは本質をつく見解ではあるが,今日では克服された一面性をもっている。なぜならば,ルーベンスの画面は開かれた空間をもっているが,つねに対角線によるバランスと調和を保っており,プッサンは深奥的であるが構築的である。またウェルフリンのいう反古典主義の最も典型的な作例はマニエリスムの芸術,たとえばティントレット,エル・グレコ等にみることができる。…

【フランス美術】より

…事実,長い歴史を通じて多様な展開を示してきたフランス絵画の最も大きな特質の一つとして,秩序と構成への意志を指摘することができる。ランブール兄弟の《ベリー公のいとも豪華なる時禱書》からプッサン,シャルダン,セザンヌを経て20世紀のマティス,ブラックにいたるまで,その多彩な表現はつねに厳しい造形性に支えられている。ゴシックの建築家やデカルトの合理主義に代表されるような知性への信頼を特色とするフランス精神は,絵画の分野においても,奔放な想像力の飛翔や激しい情熱の吐露を厳しい秩序に従属させることを忘れない。…

※「プッサン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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