日本大百科全書(ニッポニカ)「プーリア」の解説
プーリア
ぷーりあ
Puglia
イタリア南部の州。面積1万9347平方キロメートル、人口398万3487(2001国勢調査速報値)。英語名アプーリアApulia。バリ、レッチェ、フォッジア、タラント、ブリンディジの5県からなる。州都はバリ。石灰岩状のガルガーノ山地、広大な穀倉平野タボリエーレ、長さ約150キロメートル、幅約50キロメートルに及ぶ石灰岩台地ムルジェ、メッサピカ平野、サレンティーナ半島の先端部をなすムルジェ・サレンティーネの五つの地域からなる。降水量は少なく、夏は著しく乾燥する。農産物ではオリーブ、アーモンド、チョウセンアザミ、サラダナ、ブドウなどが重要である。第二次世界大戦後の南部開発政策の成果として、タラント(製鉄業)、ブリンディジ(石油化学)、バリ(機械、石油化学ほか)の3都市は、イタリア有数の近代的工業地帯となった。ただ前二者についていえば、資本集約的な重化学工業に集中したため、周辺地域への経済的波及効果はかならずしも十分なものではない。
[堺 憲一]