ヘキサメチレンジアミン(読み)へきさめちれんじあみん(その他表記)hexamethylenediamine

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヘキサメチレンジアミン」の意味・わかりやすい解説

ヘキサメチレンジアミン
へきさめちれんじあみん
hexamethylenediamine

脂肪族アミン一つ。1,6-ヘキサンジアミン、1,6-ジアミノヘキサンなどともいう。特有のにおいをもった固体。空気中から水や二酸化炭素を吸収する。アジポニトリルNC(CH2)4CNをナトリウムエタノールエチルアルコール)で還元すると得られる。水にはよく溶け、エタノールにも溶ける。アジピン酸HOOC(CH2)4COOHとともにポリアミド合成繊維の6,6-ナイロンの合成原料として重要である。

[務台 潔]


ヘキサメチレンジアミン(データノート)
へきさめちれんじあみんでーたのーと

ヘキサメチレンジアミン
  H2N(CH2)6NH2
 分子式 C6H16N2
 分子量 116.2
 融点  45~46℃
 沸点  81.5℃/10mmHg

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改訂新版 世界大百科事典 「ヘキサメチレンジアミン」の意味・わかりやすい解説

ヘキサメチレンジアミン
hexamethylenediamine

1,6-ジアミノヘキサンともいう。化学式H2N(CH26NH2ナイロン66の重要な原料である。無色結晶。融点45~46℃,沸点81.5℃(10mmHg)。空気中で水および二酸化炭素を吸収しやすい。工業的には,アジポニトリルNC(CH24CNの水素化,またはε-カプロラクタムから導かれるε-アミノカプロニトリルの水素化によって合成される。
ナイロン


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化学辞典 第2版 「ヘキサメチレンジアミン」の解説

ヘキサメチレンジアミン
ヘキサメチレンジアミン
hexamethylenediamine

1,6-hexanediamine.C6H16N2(116.21).NH2(CH2)6NH2.1,6-ジブロモヘキサンのフタルイミドカリウムによるアミノ化や,工業的には,アジポニトリルアンモニアの存在下で接触水素還元してつくる.融点42 ℃,沸点205 ℃,100 ℃(2.6 kPa).二酸化炭素を吸収して炭酸塩をつくる.水,エタノール,ベンゼンに可溶.ナイロン66,そのほかポリマーの合成原料に用いられる.皮膚を強く刺激する.LD50 750 mg/kg(ラット,経口).[CAS 124-09-4]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

百科事典マイペディア 「ヘキサメチレンジアミン」の意味・わかりやすい解説

ヘキサメチレンジアミン

化学式はNH2(CH26NH2。1,6−ジアミノヘキサンとも。アンモニア臭のある白色板状結晶。融点45℃,沸点81.5℃(10mmHg)。水に易溶,エタノールに難溶。ナイロン66の合成原料として重要。シクロヘキサンから得られるアジポニトリルの還元などによってつくられる。

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