ヘブリディーズ諸島(読み)ヘブリディーズしょとう(英語表記)Hebrides

翻訳|Hebrides

精選版 日本国語大辞典 「ヘブリディーズ諸島」の意味・読み・例文・類語

ヘブリディーズ‐しょとう ‥ショタウ【ヘブリディーズ諸島】

(ヘブリディーズはHebrides) イギリス、スコットランド北西岸沖の約五〇〇の島群漁業放牧を主産業とし、ツイード名産

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デジタル大辞泉 「ヘブリディーズ諸島」の意味・読み・例文・類語

ヘブリディーズ‐しょとう〔‐シヨタウ〕【ヘブリディーズ諸島】

Hebrides》英国スコットランド北西部の諸島。漁業や牧羊が行われる。→アウターヘブリディーズ諸島インナーヘブリディーズ諸島
[補説]作品名別項。→ヘブリディーズ諸島

ヘブリディーズしょとう【ヘブリディーズ諸島】[曲名]

原題、〈ドイツDie Hebriden》⇒フィンガルの洞窟

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改訂新版 世界大百科事典 「ヘブリディーズ諸島」の意味・わかりやすい解説

ヘブリディーズ[諸島]
Hebrides

イギリス,スコットランド北西岸沖から西岸沖にある諸島。ローマ時代にはエブダイまたはヘブーデス諸島と呼ばれ,現在はウェスタン諸島Western Islandsの別称を有する。北緯55°35′から58°30′にかけて南北に細長くのびる約500の島々から構成され,総面積約7500km2,人口約4万8500(1981)。諸島はインナー・ヘブリディーズとアウター・ヘブリディーズに大きく区分される。前者は狭い水道を隔ててスコットランド本土に近接し,スカイ,マル,アイレージュラの各島を中心とする3グループから構成される。また後者はノースミンチ,リトル・ミンチ両海峡およびヘブリディーズ海をはさんでさらに西方沖に連なり,ルイス,ノース・ウイスト,ベンベキューラ,サウス・ウイスト,バラの5主島が列島をなす。地質はおもに変成岩からなり,ルイス島の片麻岩は世界最古の岩石の一つとして知られるが,マル,スカイ,フィンガル洞窟で知られるスタッファ各島では玄武岩の貫入が見られる。

 山地が多く,冷涼で霜が深いため泥炭地が卓越し,一部での牧羊,牧牛を除いては漁業や在来の毛織物業(ハリス・ツイードHarris tweed),観光が主産業となっている。中石器時代のストーン・サークルが残り,ケルト人を先住民とするが,6世紀のキリスト教化,8世紀から1266年までのノルウェー支配を経てスコットランド領となった。このため北欧的な文化要素も残存し,また18世紀後半以降はカナダへの移住者が多くでた。1974年からアウター・ヘブリディーズはウェスタン・アイルズ州として独立し,インナー・ヘブリディーズの北部ハイランド州,中・南部はストラスクライド州にそれぞれ編入された。中心都市はルイス島のストーノウェーで漁業基地となっている。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヘブリディーズ諸島」の意味・わかりやすい解説

ヘブリディーズ諸島
ヘブリディーズしょとう
Hebrides

イギリススコットランド西岸沖の大西洋にある島群。ルイス・ハリス島,北ユーイスト島,ベンベキューラ島,南ユーイスト島,バラ島などが弓形に連なる外ヘブリディーズと,スカイ島マル島ジュラ島アイレー島などが散在する内ヘブリディーズの 2島群からなり,両者ミンチ海峡とリトルミンチ海峡によって分けられる。大小 500以上の島からなるが,そのうち人が居住する島は 100以下。8世紀以降ノルウェーの支配下に置かれたが,1266年スコットランド領に編入された。18世紀にジャガイモ栽培の導入と内戦の終結から人口が急増したが,しばしば凶作に見舞われ,18世紀末からカナダ,オーストラリアへ多くの移住者を送り出した。手紡ぎ手織りで知られる昔ながらのハリスツイード(→ツイード)は南ユーイスト島と北ユーイスト島が主産地。ルイス島は環状列石をはじめ先史時代の遺跡,遺物に富み,北部のストーノウェー港はニシン漁の根拠地として発展。行政的には外ヘブリディーズはウェスタンアイルズに,内ヘブリディーズの北部はハイランドに,南部はアーガイル・ビュートに属する。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヘブリディーズ諸島」の意味・わかりやすい解説

ヘブリディーズ諸島
へぶりでぃーずしょとう
Hebrides

イギリス、スコットランド北西岸に連なる諸島。約500の島々からなり、面積7380平方キロメートル、人口約6万。スコットランド本土に近接するスカイ、マル、ジュラ、アイレーなどの島々からなるインナー・ヘブリディーズ諸島と、リトル・ミンチ海峡を隔てて位置するルーイス、南北ウーイストなどの島々からなるアウター・ヘブリディーズ諸島からなる。島々は北緯55度30分~58度30分にあって大西洋に面するので、冷涼で霧の多い気候下にあり、そのため農耕には適さない。8世紀にノルウェーの支配下に入り、1266年にスコットランド王に譲られたので、地名や風習はスカンジナビア風のものが残っている。隔絶性が強いため、18世紀のチャールズ王子隠遁(いんとん)の史話や、地方色豊かな民話・民謡が残されている。諸島の主産業は漁業、牧畜、ツイード織で、近年は観光地として脚光を浴びている。

[小池一之]

『藪内芳彦著『島――その社会地理』(1972・朝倉書店)』

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デジタル大辞泉プラス 「ヘブリディーズ諸島」の解説

ヘブリディーズ諸島

ドイツの作曲家フェリックス・メンデルスゾーンの管弦楽曲『フィンガルの洞窟』の別邦題。

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世界大百科事典(旧版)内のヘブリディーズ諸島の言及

【イギリス】より

…こうした自然のため不毛地が広く,粗放的牧羊とエンバクの栽培がみられるにすぎない。またヘブリディーズ諸島など周辺島嶼も漁業と牧羊を中心とする過疎地域であったが,北海油田の開発に伴ってシェトランド諸島,オークニー諸島には原油基地が建設され,地域開発が推進されている。(2)中部 南北を断層線で画された低地帯で,スコットランドの政治・経済の中心地をなす。…

※「ヘブリディーズ諸島」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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