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ベリーズ Belize

翻訳|Belize

大辞林 第三版の解説

ベリーズ【Belize】

中央アメリカの北東部、カリブ海に臨む国。旧称、イギリス領ホンジュラス。1981年独立。砂糖・バナナ・マホガニー材を産する。住民はメスティソとクレオール。主要言語は英語とスペイン語、マヤ語。首都ベルモパン。面積2万3千平方キロメートル。人口30万( 2005)。正称、ベリーズ。

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デジタル大辞泉の解説

ベリーズ(Belize)

中央アメリカ、カリブ海に面する国。首都ベルモパン。英国領から1981年独立。英連邦加盟国。主産業は農林業で、砂糖・柑橘(かんきつ)類・マホガニー材などを産する。人口31万(2010)。

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世界大百科事典 第2版の解説

ベリーズ【Belize】

正式名称=ベリーズBelize面積=2万2965km2人口(1996)=22万人首都=ベルモパンBelmopan(日本との時差=-15時間)主要言語=英語(公用語),スペイン語マヤ語通貨=ベリーズ・ドルBelize Dollarもとイギリス領ホンジュラスと呼ばれ,1981年9月21日に独立した,中央アメリカで最も新しい独立国である。ユカタン半島東部にあり,北と北西でメキシコに,西と南でグアテマラに接している。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ベリーズ
Belize

正式名称 ベリーズ。スペイン語ではベリセ Belice。
面積 2万2965km2
人口 32万2000(2011推計)。
首都 ベルモパン

中央アメリカ北部にある国。 1973年までイギリス領ホンジュラス British Honduras。ユカタン半島基部東岸にカリブ海に面して位置し,北はメキシコ,西と南はグアテマラと国境を接する。北部の湿地の多い低地,南部のマヤ山脈からなり,主要河川はベリーズ川。沿岸には多数の小島や岩礁が散在し,沖合い約 25kmには,オーストラリアのグレートバリアリーフに次ぐ大規模な堡礁が発達。亜熱帯気候に属するが,海風が吹くので概してしのぎやすい。2~5月が乾季で,降水量は南に行くにつれて増加。しばしばハリケーンにより大きな被害を受け,このため首都も津波の被害を受けやすい沿岸部のベリーズシティーから内陸のベルモパンへ移転。概して沿岸部には黒人,内陸にはインディオが住み,ほかに少数のインド人やスペイン人が住むが,混血が進んでいる。英語が公用語であるが,スペイン語を話す住民も多く,独立への動きに伴って一部では小学校からスペイン語を教えるようになった。初期の歴史は明らかでないが,全土に多くの遺跡があることから,かつてはマヤ文明が栄えた地と考えられる。 17世紀ロッグウッドを求めてイギリス人が来住,その後ロッグウッドの利権や領有権をめぐってスペインとの間に抗争が続いたが,1862年正式にイギリス領となった。 1964年完全な内政自治権を獲得したのち,グアテマラと領有権問題で和解に達しないまま,1981年9月 21日独立し,イギリス連邦の構成国となった。かつては経済の主柱は木材輸出であったが,近年サトウキビ,柑橘類,バナナの栽培が盛んとなり,1960年までにはこれらの輸出額が木材輸出を上回り,1980年代にはトウモロコシ,米,豆類,芋類など消費用作物の栽培も増加した。漁業,牧畜も発展しつつある。工業は未発達で,果実加工,製材,製糖などが行なわれる程度である。交通はベリーズシティーを中心とする道路網のほか,空路,沿岸航路が中心で,鉄道は木材運搬用以外にない。 (→ベリーズ問題 )  

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ベリーズ
べりーず
Belize

中米地峡(南北アメリカ大陸をつなぐ陸地が極端に狭くなった地域)の北東に位置し、中米(中央アメリカ)7か国のなかで唯一英語を公用語とする多民族・多文化国家。北はメキシコと、西と南はグアテマラと接し、東は長い海岸線でカリブ海に面する。イギリス国王(女王)を君主とするイギリス連邦の一員である。面積は日本の四国4県に奈良県の面積を合わせたほどの2万2965平方キロメートルの広さで、人口30万1000(2006年推計)、33万3200(2010年推計)が住む。首都はベルモパンで人口1万2000(2010年推計)。[国本伊代]

自然

地形は、南部で隣国グアテマラから続くマヤ山地が南西から北東方向に出っ張る形で横たわるが、北に向かうにつれて高度が下がり、国土の北西部は緑豊かな丘陵地帯となっている。最高峰はビクトリア山(1122メートル)。北東部と海岸地帯は平坦であるが、多くの河川がカリブ海へ流れ、雨期にはしばしば氾濫(はんらん)して国土を寸断する。海岸地帯には湿地帯が点在するほか、長さ320キロメートルにおよぶカリブ海沿岸に、オーストラリアのグレート・バリアリーフに次ぐ世界第2位のサンゴ礁群が発達しており、「ベリーズ珊瑚礁保護区」として1996年にユネスコの世界自然遺産に登録された。気候は亜熱帯性で雨期と乾期に分かれているが、中部と北部の乾期は1~5月で、南部では2~4月と短く、年間雨量は北部の1300ミリメートルから南部の4000ミリメートルまで幅が大きい。21世紀になっても国土の約半分が未開発の熱帯雨林として保護されている。ほかの中米・カリブ海諸国と同様に8~10月にはしばしばハリケーンに襲われ、大きな被害を受けてきた。1931年のハリケーンではベリーズ市内の建物の3分の2が破壊され1000人以上の死者を出した。さらに30年後の1961年のハリケーンは4メートルに達する高波を伴い、またしてもベリーズ市に甚大な被害を与えたことが、首都をベリーズシティから内陸部の原野を切り開いて建設された人工都市ベルモパンへ移転する契機となった。[国本伊代]

歴史

15世紀までに衰退していたマヤ文明の地に、メキシコを征服したコルテスが派遣したペドロ・デ・アルバラード率いるスペイン人探検隊が1524~1525年に到達し、この地域をマヤ語で泥水を意味する「ベリーズ」とよび、スペイン領とした。しかしスペイン人による移植民事業は進まず、17世紀のカリブ海域における覇権がスペインからイギリスに移行するなかで、ジャマイカから渡来したイギリス人がベリーズにアフリカ人奴隷を導入して高級家具材用のマホガニーや染料として取り引きされたロッグウッドを切り出し、植民活動を進めたため、1670年にスペインはイギリスの海賊行為の中止を条件に開発権を認めた。さらに、1802年にはアミアン条約でイギリスの領有権を認めた。1821年の中米地域の独立にあたってグアテマラ旧総督府はベリーズの所有権を主張したが、イギリスはこれを拒否し、1862年にジャマイカ総督の管轄下に編入して正式にイギリス植民地とした。その後1884年にジャマイカから分離してイギリス領ホンジュラスと名称を変え、1954年の憲法制定と1964年の自治権取得を経て1973年にイギリス領ホンジュラスからベリーズと名称を変えて、1981年9月にイギリス連邦の一員として完全独立を達成した。しかしベリーズの領有権を主張するグアテマラとの対立は1991年の両国間の国境線画定まで続いた。[国本伊代]

政治・外交

政体はイギリス国王(2012年時点で女王エリザベス2世)を元首とする立憲共和制で、イギリス連邦の加盟国である。二院制度をとる議会は、下院議員31名と上院議員12名からなり、任期は5年。議院内閣制をとり、多数派の党首をイギリス国王の代理である総督が首相に任命する。イギリス式議会民主主義の下、民主連合党(UDP)と人民連合党(PUP)という二大政党間で安定した政治運営が行われてきた。
 外交はイギリス、アメリカと緊密な関係を保持するほか、台湾と外交関係をもち、カリブ共同体(CARICOM)、中米統合機構(SICA)の加盟国として中米・カリブ海諸国との連携も強めている。[国本伊代]

経済・産業

国土の半分が森林に覆われているこの国の経済基盤は伝統的にイギリス人が切り出したマホガニーやロッグウッドなどを中心とする林業であったが、近年では砂糖、柑橘(かんきつ)類、タバコ、米、バナナ、牛肉などが輸出され、食品加工産業が出現している。さらに、2006年には北部のスパニッシュ・ルックアウトで発見された石油が輸出品目の第1位(輸出総額の40%前後)を占めている。ただし、国内に製油所をもたないため、産出した原油を輸出し、石油製品を輸入している。一方、発掘と整備が進みつつある密林のなかに眠るマヤの遺跡やカリブ海沿岸のサンゴ礁など豊かな観光資源に恵まれて、観光産業が成長しつつある。通貨はベリーズ・ドル(BZD)。[国本伊代]

社会・文化

人種構成は先住民とヨーロッパ系人の混血メスティソが約50%を占め、植民地生まれのヨーロッパ人クレオールが20%、マヤ系先住民が10%、イギリス植民地時代のカリブ海で誕生したアフリカ人とカリブ海の先住民の混血ガリフナが5%、インド人や中国人を中心とするアジア系および中近東からの移民10%、さらにヨーロッパの宗教改革のなかで誕生した結束の強い宗教共同体を保持するキリスト教メノナイト信徒4%などからなる。中南米の国ではカトリックが圧倒的に多いが、ベリーズのカトリック信徒数は国民の約半数にとどまっており、多人種・多文化・多宗教社会を出現させている。
 公用語は英語であるが、クレオール語とよばれる一種の方言英語が全国的に使用されているほか、スペイン語やマヤ語、そのほかの少数民族の言語も話されている。6~14歳が就学する小学校・中学校は義務教育で、15歳以上の識字率は96%(2010)である。[国本伊代]

日本との関係

ベリーズが独立した1981年(昭和56)に日本は国家承認を行い、翌1982年に国交を樹立した。1984年より在メキシコ日本大使館が、さらに2006年(平成18)からは在ジャマイカ日本大使館が在ベリーズ日本大使館を兼館しており、ベリーズは2001年から日本に大使館を設置。日本はベリーズにとって有力な援助国であるが、両国間の貿易関係は規模が小さく、交流関係も限られている。[国本伊代]

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