菓子などを作るときに用いる膨張剤。ふくらし粉ともいう。パンの生地を膨張させるにはふつうイーストが用いられるが,生地に加える副材料などの関係でイーストの使用が適さぬ場合の膨張剤として考案された。おもに重曹に重酒石酸カリウムや炭酸アンモニウムなどを配合したもので,それらを単独で使用した場合に生じやすい苦みや臭みなどを除き,使いやすいものに作られている。生地に練り込んで焼くと,加熱によって炭酸ガスが発生し,これが無数の小さな気泡となって生地をふくらませる。蒸し菓子に用いられるイスパタは,イーストパウダーの略称で,重曹,焼きミョウバン,デンプンなどを配合してある。なお,《料理塩梅(あんばい)集》(1668)にはカステラをつくるのに,〈玉子汁におふし粉を入,こね……〉という記事がある。この〈おふし粉〉はふくらし粉であることはほぼ確実だが,残念ながらその実態は明らかでない。
執筆者:小室 康
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… 発泡剤としてプラスチック,コンクリートなどの成形時に添加するものの多くは,加熱時に窒素,二酸化炭素,アンモニア,水蒸気,酸素,水素等を発生するものである。発泡ゴム,発泡プラスチックには炭酸水素ナトリウム,炭酸アンモニウム,酢酸アミル,ジアゾアミノベンゼンなどが,また泡ガラスには炭酸カルシウムが,食品工業でパンの製造には炭酸水素ナトリウムと酒石酸を主成分とするベーキングパウダーなどが用いられる。発泡剤系泡沫消火器(粉末,液体)には硫酸アルミニウムと炭酸水素ナトリウムの混合物が用いられる。…
※「ベーキングパウダー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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