ペパーミント(英語表記)peppermint
Mentha piperita L.

デジタル大辞泉 「ペパーミント」の意味・読み・例文・類語

ペパーミント(peppermint)

ヨーロッパに産する西洋ハッカ。また、その葉などから得られる香料。
ハッカを主原料としたリキュール。緑色のものが多い。→薄荷はっか

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精選版 日本国語大辞典 「ペパーミント」の意味・読み・例文・類語

ペパーミント

〘名〙 (peppermint)⸨ペッパーミント⸩
シソ科の栽培多年草。高さ三〇~九〇センチメートル。全体に無毛。卵状披針形または披針形の葉を対生する。花はハッカに似るが、種子はできず、野生はない。香料・清涼剤のために広く栽培され、それから精製した薄荷油もいう。薬品キャンデーチューインガムスパイスなどに使用。せいようはっか(西洋薄荷)。
※思ひ出(1911)〈北原白秋〉断章「君もまた色青きペパミントの酒に、かなしみの酒に」
② 薄荷油を主原料とし、これにアニス油橙皮油などの香料をアルコールに浸出させたリキュール。はっかざけ。はっかしゅ。
食後の唄(1919)〈木下杢太郎〉後街時調「投節を聴き帰る夜の薄荷酒(ペパミント)は 味殊なれども」

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改訂新版 世界大百科事典 「ペパーミント」の意味・わかりやすい解説

ペパーミント
peppermint
Mentha piperita L.

ヨーロッパ原産のシソ科の多年草。セイヨウハッカともいう。新約聖書中にも香辛料として記載され,西洋のハッカとして最も有名で,古代エジプトやローマでも利用された。茎は高さ30~90cm,茎の先端に穂状の花序をつけ,花は紫または白色で,8~9月に咲く。地下を横走する地下茎で繁殖する。生葉を刻んでラム料理や魚・肉のソースに使ったり,カクテル類やリキュールに入れて,美しい緑色と香りをつける。またチューインガムの香料にし,ケーキやミント・ゼリーなどの菓子に入れる。葉に約1%含まれる精油主成分メントール,メントールエステル,メントンなどで,ニホンハッカハッカ)に比較して香りがよく,辛みも少ない。茎葉を水蒸気蒸留すると,ペパーミント油がとれる。洋菓子のスパイスやエッセンス,歯磨きや化粧品の香りのほか,強心剤,興奮剤その他の薬用にもされる。ヨーロッパ各地で栽培され,とくにイギリスが有名。黒ハッカと白ハッカの2品種がある。
執筆者:

リキュールのペパーミントは,クレーム・ド・マントcrème de mentheとも呼ぶ。セイヨウハッカにニッケイ,ショウガその他の香草類を配合し,これらをアルコールに浸漬(しんし)してつくる。アルコール分30%程度。ハッカの香味の強い甘い酒で,緑色のものが多いが,無色や紅色のものもある。カクテル材料のほか,洋菓子,氷菓にも用いる。
執筆者:

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百科事典マイペディア 「ペパーミント」の意味・わかりやすい解説

ペパーミント

(1)セイヨウハッカの英語名。→ハッカ(2)青緑色をした甘いリキュールの一種。おもにアペリチフとして供される。ハッカ油を精製アルコールに溶かし,それに砂糖や水を加えてアルコール分を15〜17%にし,ニガヨモギのエッセンスなどでかおりをよくしたうえで,緑色の食用色素で着色して作る。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ペパーミント」の意味・わかりやすい解説

ペパーミント
ぺぱーみんと
peppermint

ヨーロッパ原産のセイヨウハッカから得られる香辛料。同じハッカ系のスペアミントに比べると香味が刺激的であり、ミントティー、リキュールのほか、うがい薬などにも用いられる。なお、リキュールに利用する場合は、ブランデーやスピリッツにハッカを浸漬(しんし)して浸出する方法、あるいはハッカ精油を加える方法がとられる。このリキュールはアルコール分25~30%、緑色や白色のものがある。フランス産のフレーゾマンは有名である。

[齋藤 浩・原 昌道]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ペパーミント」の意味・わかりやすい解説

ペパーミント
peppermint

ハッカの香気の強い緑色のリキュール。クレーム・ド・マントも同種のリキュールである。イタリア人の創製したもの。精製したアルコール油に苦みのない薄荷油,丁子 (ちょうじ) 油,ばら水,砂糖などを加え,緑色色素で着色する。アルコール濃度 30~50%。食前・食後酒として用いる。製薬用のペパーミントエッセンスもある。

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栄養・生化学辞典 「ペパーミント」の解説

ペパーミント

 Mentha属の雑種.シソ目シソ科ハッカ属の草.全体を水蒸気蒸留して精油をとり,香料として使う.メントールが主成分.他にl-メントン,1,8-シネオールなどを含む.

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