ヨーロッパ原産のシソ科の多年草。セイヨウハッカともいう。新約聖書中にも香辛料として記載され,西洋のハッカとして最も有名で,古代エジプトやローマでも利用された。茎は高さ30~90cm,茎の先端に穂状の花序をつけ,花は紫または白色で,8~9月に咲く。地下を横走する地下茎で繁殖する。生葉を刻んでラム料理や魚・肉のソースに使ったり,カクテル類やリキュールに入れて,美しい緑色と香りをつける。またチューインガムの香料にし,ケーキやミント・ゼリーなどの菓子に入れる。葉に約1%含まれる精油の主成分はメントール,メントールエステル,メントンなどで,ニホンハッカ(ハッカ)に比較して香りがよく,辛みも少ない。茎葉を水蒸気蒸留すると,ペパーミント油がとれる。洋菓子のスパイスやエッセンス,歯磨きや化粧品の香りのほか,強心剤,興奮剤その他の薬用にもされる。ヨーロッパ各地で栽培され,とくにイギリスが有名。黒ハッカと白ハッカの2品種がある。
執筆者:星川 清親
リキュールのペパーミントは,クレーム・ド・マントcrème de mentheとも呼ぶ。セイヨウハッカにニッケイ,ショウガその他の香草類を配合し,これらをアルコールに浸漬(しんし)してつくる。アルコール分30%程度。ハッカの香味の強い甘い酒で,緑色のものが多いが,無色や紅色のものもある。カクテル材料のほか,洋菓子,氷菓にも用いる。
執筆者:大塚 謙一
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ヨーロッパ原産のセイヨウハッカから得られる香辛料。同じハッカ系のスペアミントに比べると香味が刺激的であり、ミントティー、リキュールのほか、うがい薬などにも用いられる。なお、リキュールに利用する場合は、ブランデーやスピリッツにハッカを浸漬(しんし)して浸出する方法、あるいはハッカ精油を加える方法がとられる。このリキュールはアルコール分25~30%、緑色や白色のものがある。フランス産のフレーゾマンは有名である。
[齋藤 浩・原 昌道]
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