アニス油(読み)アニスユ(その他表記)anise oil

改訂新版 世界大百科事典 「アニス油」の意味・わかりやすい解説

アニス油 (アニスゆ)
anise oil

アニス(セリ科一年草)の果実に含まれている精油。黄色の液体で沸点210℃。主成分は,アネトール(80~90%),メチルカビコール,p-メトキシアセトフェノン。比重0.980~0.990(20℃),屈折率1.552~1.559(20℃),旋光度-2°~+1°。食品用香料,薬用などに利用される。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「アニス油」の意味・わかりやすい解説

アニス油
あにすゆ
anis oil

精油の一つ。アニシード油aniseed oilともいう。エジプト、近東地方原産のセリ科植物の熟した果実を水蒸気蒸留すると収油率1.5~6%で得られる。これは淡黄色シロップ状で、甘い特有の香気を有し、15℃以下で固化し、主成分としてアネトール(80~90%)を含有している。せっけんおよびポマードの付香に用い、とくにリキュールの調香料および医薬としての用途が大きい。

[佐藤菊正]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アニス油」の意味・わかりやすい解説

アニス油
アニスゆ
aniseed oil

植物性天然香料の一つ。菓子洋酒,医薬,歯磨きなどに使われる。セリ科植物のアニス Pimpinella anisumの実を水蒸気蒸留して得る。無色または黄白色で,特有の芳香と強い甘味をもつ。芳香成分の主要なものはアネトール (50~90%) 。なお,アネトールを主要成分とするものとしては,ほかにフェンネル油などがある。

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栄養・生化学辞典 「アニス油」の解説

アニス油

 アニスの種子アニシードからとる油.香料として用いる.アニスアルデヒド,アネトールなどの香気成分を含む.

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