出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
成長期に
①発病の経緯
明らかな外傷歴がなく、疼痛と歩き方の異常により発症します。疼痛は股部だけでなく、大腿、
②年齢・性別・左右差
2~12歳にみられ、とくに4~8歳に多い病気です。男性に5~10倍ほど多く、両側例が10~20%にみられますが、左右で発症時期が異なることが一般的です。
③症状
疼痛は軽度でその原因は関節
病気の経過は
骨頭変形を生じることなく自然治癒させることが目標となります。一般に低年齢で発症した症例、骨化核の外側の高さが経過を通じて維持されている症例は予後が良好です。
①保存的治療
疼痛が強く、股関節
②手術療法
修復が停滞した時に手術の適応があります。高年齢で発症した患者さんで必要になることが多い傾向があります。
小児期に、股関節内の
骨端症の一種で、同じ部位に発生する成人の大腿骨頭壊死(えし)症と異なり、小児の旺盛な修復機転により骨成長期を通じて大腿骨頭は修復されます。病変部の大小により治癒の程度に差を生じます。
1910年にレッグ(米)、カルベ(フランス)、ペルテス(ドイツ)が、別々にこの病気について報告しています。国によって呼び名が異なり、正式にはレッグカルベペルテス病(LCP病)と呼ばれますが、日本では慣用的にペルテス病と呼ばれています。
大腿骨頭骨端核(成長部)の血流障害と考えられていますが、血流障害が発生する原因は不明です。骨端症のなかでは最も頻度が高く、3~4歳から10代前半までの広い年代に発生します。男子に多くみられます。
股関節の痛みや運動の制限、跛行を生じます。ペルテス病は股関節の病気ですが、はじめは膝関節に痛みを訴えることが多いとされています。
膝関節に疼痛を訴えても、股関節の動きの制限がないかどうかを正しく診察し、股関節異常の有無をチェックすべきです。疑わしい時は股関節の画像診断に進みます。初期で骨端核の破壊が進んでいない場合は、正常か異常かの判断が困難な場合があります。骨端核の成長は個人差もあるので、左右ともX線写真を撮影して比較することが重要です。また、疑わしい症状が続く場合には、時期をおいてX線撮影を行う必要があります。
MRI検査は、初期から股関節の異常の有無を確認できる有用な方法です。
ペルテス病が変形なく正常に治るか否かは、発症年齢と障害部位の大きさが深く関係します。年齢では、低年齢すなわち小学生低学年以前の発症は治りやすく、大きくなって発症した場合、とくに10歳以降の発症は変形を残すことが多いとされています。また、骨端核の障害部位が大きい場合は治るまでの期間が長く、変形を残す率が高くなります。
一般に、成長期に発症するため修復傾向が強い病気ですが、発症年齢が高い場合や、骨端核の障害が広く全体に及ぶ場合は変形を残すことがあり、注意が必要です。特別な装具を装着したり、松葉杖を使って
柳本 繁
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報
代表的な骨端炎の一つで、成長期にある小児股(こ)関節に発症し、大腿(だいたい)骨頭が無腐性の壊死(えし)をおこして扁平(へんぺい)になる疾患をいい、扁平股(こ)ともいう。1910年ドイツの整形外科医ペルテスGeorg Clemens Perthes(1869―1927)が若年性変形性骨軟骨炎として初めて記載したが、別に同年、アメリカのレッグとフランスのカルベも報告しており、レッグ‐カルベ‐ペルテス病Legg-Calvé-Perthes diseaseともよばれる。
徐々に発症してくる慢性疾患で、男児に多く3歳から12歳にわたってみられるが、4~7歳が好発年齢である。初発症状は股関節部や膝(しつ)関節部にみられる痛みと跛行(はこう)(足を引きずって歩く)であるが、成人の大腿骨頭壊死とは異なり、最終的には修復されて疼痛(とうつう)も消失する。しかし、放置すればいろいろな変性を残して変形性関節症の原因となる。他覚的には、股関節の外転と下肢を内側にひねる内旋が十分にできない。大腿骨頭にかかる負担を軽くする外転免荷装具などを1年前後つけ、その後1年くらい経過を観察する。なお、亜脱臼(だっきゅう)をおこしてくる予後の悪い症例に対しては大腿骨骨切り術などを行うこともある。
[永井 隆]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…原因不明のものは特発性骨壊死idiopathic necrosisと呼ばれる。これには成人の特発性大腿骨頭壊死,ペルテス病(小児大腿骨頭壊死),膝特発性壊死(高齢者大腿骨内顆関節面の病変),キーンベック病(成人月状骨壊死),ケーラー病(小児の足の舟状骨病変),フライバーグ病(第2ケーラー病ともいわれ,思春期の第2中足骨頭の病変)などがある。成人の特発性大腿骨頭壊死は1960年以降症例が急増し,アルコール愛飲,肝臓障害との関連が検討されている。…
※「ペルテス病」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...
4/12 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
4/12 デジタル大辞泉を更新
4/12 デジタル大辞泉プラスを更新
3/11 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
2/13 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新