日本大百科全書(ニッポニカ) 「ホイップル」の意味・わかりやすい解説
ホイップル
ほいっぷる
George Hoyt Whipple
(1878―1976)
アメリカの病理学者。ニュー・ハンプシャー州アシュランドに生まれる。祖父、父ともに医師であった。1900年エール大学を卒業後、ジョンズ・ホプキンズ大学に入り、1905年医学博士号を取得、同大学で助手、ついで準教授を務めた。1914年カリフォルニア大学医学部教授、ついで1921年にロチェスター大学医学部の病理学教授となった。
おもな研究は肝臓の生理学および病理学と、貧血に関するものである。胆汁色素とヘモグロビンの関係に注目し、イヌを実験に用いて人為的に貧血をおこさせて観察した。その結果、貧血の治療法として、肝臓や、鉄分、ビタミンB12の含まれた食品が有効であることを発見した。この業績によって、1934年のノーベル医学生理学賞をW・P・マーフィー、G・R・マイノットとともに受賞した。
[編集部 2018年11月19日]