ホオヒゲコウモリ(読み)ほおひげこうもり(英語表記)whiskered bat

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ホオヒゲコウモリ
ほおひげこうもり / 頬髭蝙蝠
whiskered bat

広義には哺乳(ほにゅう)綱翼手目ヒナコウモリ科ホオヒゲコウモリ属に含まれる動物の総称で、狭義にはそのうちの1種をさす。この属Myotisの仲間は、極地や多くの洋島を除き翼手類のなかでもっとも広い地域に分布し、大きさや体色なども変化に富む96種からなる。前腕長28~70ミリメートル、頭胴長35~100ミリメートル、尾長28~65ミリメートル。体の背面は黒、灰、褐色など暗い色をもつ種が多いが、橙(だいだい)色と黒色のまだら模様が美しいクロアカコウモリM. formosusも含まれる。生息場所は森林、洞窟(どうくつ)、用水路、建造物などさまざまである。
 ホオヒゲコウモリM. mystacinusはユーラシア産で、ヨーロッパから小アジアを経て、アジアに広く分布する。前腕長30~35ミリメートル、頭胴長35~45ミリメートル、尾長38~48ミリメートル。体毛は長く、羊毛状。体背面の色は暗褐色、腹面のそれは灰黄色または淡褐色。耳介は比較的長くて狭く、耳珠は耳介の2分の1よりやや長く、ほとんどまっすぐで先端がとがる。普通単独で生活するが、ヨーロッパでは本種の100頭ほどのコロニーが観察されている。冬は洞窟で冬眠するが、夏は洞窟を離れ、樹洞、建造物の壁の割れ目に生息する。冬眠期間は11月から翌年の3月まで、6月から7月上旬に1産1子を産む。[吉行瑞子]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

新華社

中華人民共和国の国営通信社。新華通訊社が正式名称。 1931年延安で創立され,48年北京に移り,現在は政府国務院新聞総署の管轄下にある。特に文化大革命以後は重要度が高まり,党と政府の発表はここを通じて...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android