ボヘミアン
〘名〙 (Bohemian bohémien
ボヘミアに住む人の
意)
※ふらんす物語(1909)〈永井荷風〉蛇つかひ「英吉利西(イギリス)語でジプシイ。仏蘭西(フランス)語でボヱミヤンなぞと名をつけて」
② (形動) 世間一般の
規範や型の外で自由に生きる人。また、型にはまらず自由なさま。特に一九世紀後半のフランスの一部の芸術家・知識人社会に多く見られた。
※路上(1919)〈芥川龍之介〉三〇「僕はボヘミヤンだ。君のやうなエピキュリアンぢゃない」
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ボヘミアン
ぼへみあん
Bohemian
社会の習俗に逆らい自由奔放な放浪生活に生きる芸術家。チェコのボヘミア地方には古くからロマ(かつてはジプシーとよばれた)が多く住み、15世紀ごろフランス人はロマをこの名でよぶようになった。彼らの世俗に迂遠(うえん)な生き方に似た芸術家グループに適用し、1848年サッカレーが作品に使用して以来、英語として普及した。第二次世界大戦後はヒッピーなどのことばに代用される。
[船戸英夫]
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ボヘミアン
Bohemian
語源はフランス語の bohèmeで,ボヘミア人をさすが,チェコのボヘミア地方にロム (ジプシー) が多く住んでいたことから,15世紀頃からボヘミアンはロムをさすことばとなった。さらに 19世紀に入って,ボヘミアンは社会の慣習を無視して放浪する芸術家の代名詞のようになり,のちに同様の知識人や放縦生活者まで広く含む呼称となった。
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ボヘミアン(Bohemian)
《ボヘミアに住む人の意》
1 ジプシーの異称。
2 社会の規範にとらわれず、自由で放浪的な生活をする人。
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ボヘミアン【bohémien】
元来はボヘミア人またはボヘミア出身と考えられていたジプシーを指すが,転じて1830年の七月王政期にパリに集まった,貧しくしかし自由なその日暮しを送る文学青年や若き芸術家たちの呼称(ボエームbohème)となった。1835年ころのネルバル,ゴーティエ,ボレルらの集団と,それから約10年後の,ミュルジェールHenri Murger(1822‐61),シャンフルーリらの集団があった。とくに前者は,ロマン主義運動に共鳴し,七月革命に熱狂した〈青年フランス派Jeune France〉の世代であり,〈小ロマン派〉とも称される。
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知恵蔵「ボヘミアン」の解説
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