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ボールドウィン Baldwin, James Arthur

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ボールドウィン
Baldwin, James Arthur

[生]1924.8.2. ニューヨーク
[没]1987.11.30. サンポールドバンス
アメリカの黒人作家。バプテスト派の説教師を父に9人兄弟の長子としてハーレムに生れ,14歳のとき説教師になったが,17歳で文学を志し,種々の仕事を経て 1948年パリに渡った。 57年公民権運動のさなかに帰国。自伝的な処女作『山に登りて告げよ』 Go Tell It on the Mountain (1953) ,同性愛を扱いながら他者に対する責任,罪の意識の問題を取上げた『ジョバンニの部屋』 Giovanni's Room (56) ,人種関係の緊張のなかでアメリカ人の生の意味を追求した代表作『もう一つの国』 Another Country (62) ,『汽車はいつ頃出たんだろう』 Tell Me How Long the Train's Been Gone (68) ,『もしビーレ・ストリートに口あらば』 If Beale Street Could Talk (74) などの小説を発表した。ほかに人種問題を扱った評論集『アメリカの息子のノート』 Notes of a Native Son (55) ,『誰も私の名は知らない』 Nobody Knows My Name (61) ,『次は火だ!』 The Fire Next Time (63) ,『巷に名もなく』 No Name in the Streets (71) ,『悪魔にも仕事がある』 The Devil Finds Work (76) ,戯曲『白人へのブルース』 Blues for Mr. Charlie (64) などがある。

ボールドウィン
Baldwin, James Mark

[生]1861.1.12. コロンビア
[没]1934.11.8. パリ
アメリカの哲学者,心理学者。プリンストン大学卒業後ライプチヒ,ベルリンの各大学に学び,帰国後プリンストン,ジョンズ・ホプキンズ大学などで心理学を教授。進化論に立ち発生的社会心理学を説いた。論理学においても,思惟を進化論の立場から説明した。彼の哲学は発生論と非発生論の二元的方法にあり,この対立する二元をつなぎ融合させるものが一種の美的経験であるとした。主著"Mental Development in the Child and the Race" (1895) ,"History of Psychology" (1913) ,"Genetic Theory of Reality" (15) 。

ボールドウィン
Baldwin, Robert

[生]1804.5.12. アッパーカナダ,ヨーク
[没]1858.12.9. アッパーカナダ,ヨーク
カナダの政治家。 1825年弁護士として世に出,29年アッパーカナダ植民地下院に選出されて政界に入る。 36年改革運動の指導者としてイギリスにおもむき,植民地省にカナダにおける責任政府実現の要請を初めて提出した。しかし 37年の W.マッケンジーの反乱には加担せず,総督の F.ボンドヘッドから反乱者との交渉を依頼されたりした。 41年連合カナダ植民地議会に改革派の一員として選出され,同年9月には責任政府を求める一連の決議を議会へ提出。 42年9月総督 C.バゴットはボールドウィンに組閣を依頼し,ここに第1次ボールドウィン=ラフォンテーヌ内閣が成立したが,翌年 11月に倒れた。 48年の総選挙で改革派が勝利を占め総督エルギン (伯) は再びボールドウィンと L.ラフォンテーヌに組閣を依頼し,これがカナダにおける責任政府の実現となった。しかし穏健派のボールドウィンは自派の急進派と意見が合わず,51年辞任し,続いて総選挙にも敗北を喫して公生活から引退した。

ボールドウィン
Baldwin, Stanley, 1st Earl Baldwin of Bewdley

[生]1867.8.3. ウスターシャー,ボードリー
[没]1947.12.14. アストリー
イギリスの政治家。ケンブリッジ大学を卒業後,実業界に入ったが,1908年父の跡を継いで保守党下院議員となった。 21年 D.ロイド・ジョージ連立内閣の商務相,22年 A.ボナー・ロー内閣の蔵相を経て,23年首相。 24年不況打開策に保護関税策を提唱して総選挙にのぞんだが敗れて辞任。しかし同年第2次内閣を組織し,29年まで在任,金本位制の保持や炭坑ストの処理にあたった。 31年 J.R.マクドナルドを首班とする挙国一致内閣枢密院議長として,事実上の指導者となり,35年再び首相。 37年 N.チェンバレンに地位を譲り引退。

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デジタル大辞泉の解説

ボールドウィン(James Arthur Baldwin)

[1924~1987]米国の小説家。個人的体験に基づきつつ現代人の普遍的問題を描き、黒人文学に新境地を開いた。作「山に登りて告げよ」「ジョバンニの部屋」「もう一つの国」など。

ボールドウィン(Stanley Baldwin)

[1867~1947]英国政治家保守党の指導者。1923年から1937年まで三度首相を務め、社会・経済政策尽力

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百科事典マイペディアの解説

ボールドウィン

米国のジャーナリスト軍事評論家。アナポリス海軍兵学校卒。任官3年で退役。1929年《ニューヨーク・タイムズ》に入社。1937年以降,軍事問題専門の記者として活躍し,1942年南太平洋情勢の報道でピュリッツァー賞受賞。

ボールドウィン

米国のアフリカ系作家。ニューヨーク生れ。父を継いで説教師になるが,17歳で文学を志しハーレムを出て,ヨーロッパで自伝的長編《山にのぼりて告げよ》(1953年)を書く。

ボールドウィン

英国の政治家。英国有数の鉄鋼業者の家の出身で,長く実業界で活躍。1908年保守党下院議員。1923年―1937年の間に3度首相となり,第1次大戦後の内政処理や恐慌対策に活躍した。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plusの解説

ボールドウィン Baldwin, Charles

1834-1896 アメリカの教育者。
明治4年(1871)京都府英学校の英語・洋算教師としてまねかれる。のち気象学などもおしえ,約20年間断続的に京都府立中学に勤務した。鹿児島造士館高等中学在職中の明治29年6月15日死去。62歳。マサチューセッツ州出身。

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世界大百科事典 第2版の解説

ボールドウィン【Hanson Weightman Baldwin】

1903‐91
アメリカの軍事評論家。ボルティモア市の生れ。1924年にアメリカ海軍兵学校を卒業,少尉に任官して戦艦,駆逐艦の乗組員を経験した。27年に海軍を退役,《ボルティモア・サン》紙記者となったが,29年に《ニューヨーク・タイムズ》紙に転じ,軍事記者の道を歩みはじめ,42年には軍事担当部長となった。同年,南太平洋情勢についての報道でピュリッツァー賞を受賞した。第2次大戦,朝鮮戦争ベトナム戦争をカバーしたが,単なる報道記者ではなく,独自の戦略的観点からの戦争の分析が高い評価を受けた。

ボールドウィン【James Arthur Baldwin】

1924‐87
アメリカの代表的黒人作家の一人。R.ライトらのいわゆる〈抗議小説〉の型を脱して,世界文学のなかでのアメリカ黒人文学の地位をたかめたことで評価される。ニューヨークの黒人居住区ハーレムに生まれ,貧しい説教師の家庭で苦難の幼少年期を過ごした。1953年,自伝的長編小説《山にのぼりて告げよ》を発表。登場人物を黒人に限ったこの作品は,父と子の問題,生の不安,性に根ざす宗教的罪悪感,人種対立をはらんだ社会への疑念など,主人公である黒人少年の心理の深部を濃密に描いて注目された。

ボールドウィン【Robert Baldwin】

1804‐58
イギリス領北アメリカの政治家。アッパー・カナダに生まれ,弁護士を経て,1829年立法議会に当選。しかし30年に落選して一時政界から遠ざかる。その間の36年イギリスに赴き植民地省に責任政府樹立を要請したメモランダムを提出するが,これはイギリス領北アメリカ植民地の政治改革運動の中で高く評価される文書である。W.L.マッケンジーら急進派の起こした37年の蜂起ではイギリス側につき,穏健な議会工作による改革を指導。

ボールドウィン【Stanley Baldwin,1st Earl Baldwin of Bewdley】

1867‐1947
イギリスの保守党政治家。大鉄鋼業者の家に生まれ,ケンブリッジ大学に学び,長く家業に就いた後,1908年下院に入る。ロイド・ジョージ連立内閣に大蔵財務次官(1917‐21),商務院総裁(1921‐22)を務めたが,22年保守党の離脱を主張して連立内閣を倒した。続くボナ・ロー保守党内閣では蔵相として戦債の処理に当たった。23年ボナ・ローの病気引退後首相となり,不況打開に保護関税政策を採ろうとして総選挙に敗れ,24年辞職。

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大辞林 第三版の解説

ボールドウィン【Baldwin】

〔James Arthur B.〕 (1924~1987) アメリカの作家。人種差別下の黒人の痛みと病めるアメリカ社会の姿を描く。公民権運動に尽力。作「山にのぼりて告げよ」「ジョバンニの部屋」「もう一つの国」
〔Stanley B.〕 (1867~1947) イギリスの政治家。保守党。1923年以来、三度首相を務め、失業対策・経済政策などに尽力した。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

世界大百科事典内のボールドウィンの言及

【カナダ】より

…カナダ史では過激な変革は排され,漸進的な改革が目的を達成する。マッケンジー,パピノーの運動はより穏健なR.ボールドウィンL.H.ラ・フォンテーヌらに受け継がれたのであった。 しかし,蜂起の失敗は両植民地に大きな影響を与えることになった。…

※「ボールドウィン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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