( 1 )室町末期に南蛮菓子の一種として日本に伝えられ、ボールと呼ばれていた。早くから商品化され、日本橋の菓子司桔梗屋の天和三年(一六八三)の目録に「ごまぼうる」「花ほうる」「丸ほうる」と見える。
( 2 )明治に入り洋風の焼菓子ビスケットが台頭するにつれ、古来のボーロは忘れられてしまった。
( 3 )現在ボーロと呼んでいる菓子の元祖は、明治時代に「園の露」という名で売られていた焼菓子で、片栗粉を原料とし、色が白く包装も美しかったところから、「衛生ボーロ」と呼ばれて好評を博した。
室町末期に伝えられた南蛮菓子の一種。ポルトガルの菓子boloのことで,江戸時代には〈ほうろ〉〈ほうる〉〈保宇留〉などと書いた。本来のそれは,小麦粉に砂糖その他を加えてこね,ふつう円形にして焼き,または油で揚げるものだったが,日本では油で揚げるボーロはつくられなかった。《御前菓子秘伝抄》(1718)には,小麦粉1升,白砂糖1合を水でこね,この生地をいろいろの形に切り,銅なべに入れてふたをし,ふたの上にも火を置いて焼くとしている。早くから商品化されていたもので,江戸日本橋本町の菓子司桔梗屋河内(ききようやかわち)の1683年(天和3)の菓子目録には,〈ごまぼうる〉〈花ほうる〉〈丸ほうる〉の名が見えている。現在では佐賀の丸ボーロや京都のそばボーロが名物として知られる。いずれもオーブンで焼き上げるが,前者は小麦粉,砂糖のほかに水あめ,鶏卵,はちみつなどを加えて焼き,後者はそば粉を加えて独特の風味をもたせている。
執筆者:鈴木 晋一
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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