ポイズンピル(読み)ぽいずんぴる(その他表記)poison pill

翻訳|poison pill

デジタル大辞泉 「ポイズンピル」の意味・読み・例文・類語

ポイズン‐ピル(poison pill)

株の買い占めによる会社の乗っ取りを防ぐための対抗策の一。既存株主に対して、時価以下で新株を購入できる新株予約権をあらかじめ発行しておき、敵対的買収者が一定の議決権割合を取得した際に、新株を発行して乗っ取りを企てた相手側の持つ株の比率を下げるもの。毒薬条項

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ポイズンピル」の意味・わかりやすい解説

ポイズンピル
ぽいずんぴる
poison pill

敵対的買収に対する防衛策の一つで、「毒薬条項」と訳される。買収コストを高くすることで買収を断念させようという手段の一つである。

 具体的には、あらかじめ買収者以外の株主(シェアホルダーshareholder)に対して、有利な条件で株式を取得できるような権利ライツrights)を付与しておくことから、シェアホルダー・ライツ・プランshareholder rights planあるいは単にライツ・プランrights planともよばれる。この種のライツは、買収者が発行済株式数の一定量を上回って買占めが進んだ段階で発動するように取り決められる。ポイズンピルが発動されると、発行済株式数が増加するため、買収側は当初に予定した金額以上の買占めコストがかかることとなり、買収意欲をそがれるという効果がある。買収者にとっては毒薬となることからこのようによばれる。ポイズンピルが実際に発動されるのは買収が深刻化した有事であるが、事前的に買収に備える予防措置であるから、平時導入型の買収防衛策といえる。

 1980年代中葉からアメリカで普及した手法であるが、日本においては2005年(平成17)の株式会社ライブドアによる、ラジオ局ニッポン放送買収事件を契機に注目を集めた。一般にライツは新株予約権の形で表象され、信託銀行などに発行したものを、有事に際して株主に割り当てるような仕組みが考えられている。有効な買収防衛策ではあるが、既存株主にとっては株式価値が希薄化したり、経営者が保身を目的に乱用したりする負の側面も懸念されることから、導入に際しては株主総会での承認などの手続が求められている。

[高橋 元]

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M&A用語集 「ポイズンピル」の解説

ポイズンピル

敵対的買収に対し自社を防衛する措置として、既存株主に対して新株予約権を付与したり、従業員ストックオプションを与えておくこと、又はこのようなことの出来る条項を自社の定款に入れておくこと。敵対的買収を仕掛けられた際に、新株予約権やストックオプションが行使されると味方の株主の株式数は増え、敵対企業の買収コストは大きくなる。行使されないままの状態で買収すればまさに腹に入った毒薬として作用し、買収後に過半数がひっくり返り支配権を失う事態も想定しうる。今ではこの毒薬条項は米国の主だった企業の過半が導入していると言われている。

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会計用語キーワード辞典 「ポイズンピル」の解説

ポイズンピル

敵対的買収に対し自社を守るための措置として、既存株主に対して新株予約権を付与したり、従業員にストックオプションを与えておくこと、またはこのようなことのできる条項を自社の定款に入れておくことをいいます。

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