株式の発行会社に対しこれを行使することにより、この予約権発行後の一定期間内に、その会社の一定数の株式を一定の価格で交付を受けることができる権利をいう。これは、2002年(平成14)4月施行の改正商法で、新しく創設された。2006年5月には商法から分かれた会社法が施行されたが、新株予約権はこの会社法に規定されている。このような権利はストックオプション制度として、1997年の商法改正で導入されたが、2002年の改正でストックオプション制度は廃止され、この新株予約権となった。ストックオプションは権利を与える対象者を会社の役員と従業員に限定していたが、新株予約権は対象者を限定せず、だれにでも与えることができる。ストックオプションではオプションの行使期間を10年、与える数量は発行済株式数の10%以下とし、定款で定めるなどとしていたが、新株予約権制度ではこの制限も撤廃された。その発行はとくに有利な条件でない限り、取締役会の決議で可能とされている。新株予約権を表章するものとして新株予約権証券が発行される。これは、金融商品取引法第2条の有価証券とされている。また新株予約権を付した社債を発行することができるようになり、これまでの転換社債と非分離型の新株引受権付社債の制度は、新株予約権付社債として一本化された。分離型の新株引受権付社債は社債券と新株予約権証券の同時発行という法律的位置づけとなる。新株予約権は役員・従業員の士気高揚のためのストックオプションとしてのみならず、資金調達や企業買収防衛策の一手段のポイズンピル(毒薬条項)としても利用することができる。
[後藤 猛]
『江頭憲治郎・門口正人編集代表、西岡清一郎・市村陽典・相澤哲・河和哲雄編『会社法大系2 株式・新株予約権・社債』(2008・青林書院)』
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