ポズナニ(読み)ぽずなに(英語表記)Poznań

デジタル大辞泉 「ポズナニ」の意味・読み・例文・類語

ポズナニ(Poznań)

ポーランド中西部の工業都市。バルタ川流域にあり、古くから交易中心として発展。ドイツ語名、ポーゼン。19世紀半ば以降、コンビナートを有する工業都市となった。旧市街に、ルネサンス様式の旧市庁舎、ゴシック様式のポズナニ大聖堂国立美術館などがある。1956年6月、労働者の反ソ連暴動ポズナニ事件が起こった。人口、行政区56万(2007)。ポズナン

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精選版 日本国語大辞典 「ポズナニ」の意味・読み・例文・類語

ポズナニ

  1. ( Poznań ) ポーランド西部、ポズナニ県の県都。バルタ川をはさみ、古くから商工業都市として栄えた。国際見本市も開かれる。一九五六年六月に労働者の反ソ暴動が発生。ポズナニ事件といわれ、ポーランドの政治改革につながった。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ポズナニ」の意味・わかりやすい解説

ポズナニ
ぽずなに
Poznań

ポーランド西部、ビエルコポルスカ県の県都で、ビエルコポルスカ地方の中心都市。オドラ(オーデル)川支流バルタ川の両岸に発達する。人口57万1571(2002)で、ポーランド第五の都市。ドイツ語名ポーゼンPosen。肥沃(ひよく)な穀倉地帯であるビエルコポルスカ平野の中央に位置し、8~10世紀からスラブ人集落として開けたポーランド最古の都市の一つ。交通上優れた位置にあるため、14~16世紀には商工業都市として繁栄、旧市街のトムスキー島地区にその名残(なごり)をとどめ、ルネサンス様式の市庁舎、ゴシック様式の大聖堂、ロマネスク様式の聖ヨハネ教会など、歴史的建造物が多い。大工業都市で、ツェギエルスキ機械金属コンビナート(1846創業)は、機関車、車両、農業機械、工作機械、舶用タービンなどを生産する総合機械工場である。ほかに化学、印刷、木材、食品加工、繊維などの工業が立地する。過去の商業発展の伝統を引き、1921年以来、国際見本市が毎春開かれる。1518年創設のルブラニスキ文芸アカデミーをはじめとする教育・研究機関や劇場などの文化施設も多い。

山本 茂]

歴史

8世紀ごろから城塞(じょうさい)が築かれ、968年にはポーランド最初の司教座が置かれた。13世紀の中ごろには都市の基礎がつくられ、14~16世紀には商業・手工業が発展し、文化活動や宗教改革運動の中心地となった。1793年からはプロイセン領となるが、住民はドイツ化に抵抗し、1918年の蜂起(ほうき)で解放された。第二次世界大戦では市の大部分が破壊されたが、戦後復興した。1956年6月には労働者の反ソ暴動ポズナニ事件が起こった。

[安部一郎]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ポズナニ」の意味・わかりやすい解説

ポズナニ

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