ポーランド西部、ビエルコポルスカ県の県都で、ビエルコポルスカ地方の中心都市。オドラ(オーデル)川支流バルタ川の両岸に発達する。人口57万1571(2002)で、ポーランド第五の都市。ドイツ語名ポーゼンPosen。肥沃(ひよく)な穀倉地帯であるビエルコポルスカ平野の中央に位置し、8~10世紀からスラブ人集落として開けたポーランド最古の都市の一つ。交通上優れた位置にあるため、14~16世紀には商工業都市として繁栄、旧市街のトムスキー島地区にその名残(なごり)をとどめ、ルネサンス様式の市庁舎、ゴシック様式の大聖堂、ロマネスク様式の聖ヨハネ教会など、歴史的建造物が多い。大工業都市で、ツェギエルスキ機械金属コンビナート(1846創業)は、機関車、車両、農業機械、工作機械、舶用タービンなどを生産する総合機械工場である。ほかに化学、印刷、木材、食品加工、繊維などの工業が立地する。過去の商業発展の伝統を引き、1921年以来、国際見本市が毎春開かれる。1518年創設のルブラニスキ文芸アカデミーをはじめとする教育・研究機関や劇場などの文化施設も多い。
[山本 茂]
8世紀ごろから城塞(じょうさい)が築かれ、968年にはポーランド最初の司教座が置かれた。13世紀の中ごろには都市の基礎がつくられ、14~16世紀には商業・手工業が発展し、文化活動や宗教改革運動の中心地となった。1793年からはプロイセン領となるが、住民はドイツ化に抵抗し、1918年の蜂起(ほうき)で解放された。第二次世界大戦では市の大部分が破壊されたが、戦後復興した。1956年6月には労働者の反ソ暴動ポズナニ事件が起こった。
[安部一郎]
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