ポズナン(英語表記)Poznań

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ポズナン」の意味・わかりやすい解説

ポズナン
Poznań

ポーランド西部,ウィエルコポルスキェ県の県都。ドイツ語ではポーゼン Posen。南ウィエルコポルスカ低地の中央,ワルタ川沿いに位置する。9世紀に城塞として建設され,グニェズノとともにポーランド草創紀の中心都市であった。 968年にはポーランド最初の司教座が置かれた。交通の要地にあって商業が発達。 15世紀にはヨーロッパの交易中心地の一つとなり,16世紀にはポーランドの輸出入品の大部分ポズナンを経た。 17世紀半ばのスウェーデン戦争,18世紀初頭の北方戦争により市街を破壊され,1793年にはプロシアに占領された。 1807~15年はウィエルコポルスカ地方とともにワルシャワ公国領となったが,のちプロシアに再併合され,1918年,大蜂起によりドイツ軍とソビエト連邦軍の激戦場となった。 1956年6月,労働者,学生によって起こされた反政府運動 (ポズナン暴動 ) はポーランドの民主化に大きな役割を果たした。近代以降はポーランド有数の金属工業都市で,繊維,機械,ゴム,食品加工,化学,印刷などの工業も行なわれる。また商業の大中心地でもあり,1921年以来,国際見本市が毎年行なわれている。ワルタ川左岸の旧市街を中心に聖堂 (1453創建) ,市庁舎 (1550~55) など歴史的建築物が多い。文教面ではアダム・ミツケーウィチの名を冠した大学などの高等教育機関をはじめ,歌劇団や交響楽団などをもち博物館美術館劇場などの施設も優れている。人口 57万 8235 (2002) 。

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