サトイモ科のつる性多年草。ソロモン諸島の原産といわれ,明治中ごろに渡来した。オウゴンカズラとも呼ばれるが,一般にポトスの名で親しまれている。しかし,この名は1880年に分類を誤ってポトス属で記載された植物の名称を園芸家が用いつづけたためで,実はハブカズラEpipremnum pinnatuneに近縁で,ポトス属の植物ではない。熱帯では茎が10m以上に伸びる。楕円形の葉は大きく,長さ40~50cmにもなり,黄白色の斑(ふ)が入り,葉縁が羽状に切れ込んだり,楕円状の穴があいたりする。鉢作りでは,葉長10~15cmぐらいにする。それ以上になるとかえって観賞価値をそこなう。茎にも,緑色地に淡黄色の掃込(はきこみ)斑が入る。斑が鮮明に多く入る系統をゴールデン・ポトスと呼んで区別することがある。斑が白色の品種にマーブル・クイーンcv.Marble Queenがある。しかしこの品種はより小型で,斑の入り方も不規則で安定せず,性質もやや弱く,緑葉に戻りやすい。挿木でふやし,つり鉢,ヘゴ付けの中~大鉢作りとする。高温・多湿を好むが,7~8℃でも耐える。日陰にも耐え,テラリウムなどミニチュア観葉としても楽しめる。フィロデンドロン,ヘデラ,ゴムノキなどとともに,観葉鉢物の代表種である。
執筆者:高林 成年
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