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ポントス Pontos; Pontus

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ポントス
Pontos; Pontus

小アジア北東部,黒海の南岸地域のうちハリュス川 (現クズル川) の東の地域をさす。ラテン名ポンツス。海岸にはギリシア人の植民地が建設されたが,のちアケメネス朝ペルシアの支配を受けた。前 337年頃ミトラダテス1世がこの地をギリシア化したが,ペルシア的社会構造を有するポントス王国を築き,ミトラダテス6世のときに最も繁栄した。しかし前 89年および前 74~63年の2回にわたるローマとの戦いで,ついにポンペイウス (大ポンペイウス) の率いるローマ軍に屈した。

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百科事典マイペディアの解説

ポントス

古代小アジア,黒海南岸のハリュス川とコルキスの間の地域。ギリシア語で〈海〉を意味する。前4世紀末ミトリダテス1世がポントス王国を建設,前1世紀前半ミトリダテス6世のときに領土を拡張して強力になったが,ローマに滅ぼされ,その属州となった。
→関連項目スラ

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世界大百科事典 第2版の解説

ポントス【Pontos】

〈海〉を意味するギリシア語。黒海Pontos Euxeinosと同義にも使われたが,転じてとくに黒海南岸の小アジア東部,ビテュニア,カッパドキア,小アルメニアに隣接した地域をいう。前6世紀,沿岸部にシノペトラペズス(トラブゾン)などのギリシア植民市が建設されたが,内陸部ではイラン系の豪族が村落を,また神官層が広大な神殿領を支配していた。ハリュス川(現,キジル・イルマク川)などの河口近辺の肥沃な土地では穀物,ブドウ,オリーブなどがつくられ,付近の山々からは木材や鉄,銅,銀などが産出された。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ポントス
ぽんとす
Pontos

パプラゴニア(後のビティニア)とアルメニアの間の、黒海(古名ポントス・エウクセイノスPontos Euxeinos、ポントゥス・エウクシヌスPontus Euxinusともいう)に面した古代の小アジア北東地域。水利と温暖な気候に恵まれ肥沃(ひよく)であったので、穀物・果実が豊かにとれ、また船材や鉱物資源も豊富であった。沿岸部には紀元前7世紀中ごろからギリシア植民市が建設されて繁栄し、その周辺地帯はギリシア化されたが、内陸部は諸種族が割拠していた。キロス大王の時代以来ペルシアに服する形になっていたが、前363年太守アリオバルザネスがこの地の諸種族を実質的に従えることによって、独立王国の基礎を築いた。前298年に建てられたポントス王国はミトリダテス6世の時代に最盛期を迎えたが、ローマとの抗争後はその従属下に陥り、王国は分割された。[古川堅治]

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世界大百科事典内のポントスの言及

【海】より

…ポリネシアには,太古に神が魚を釣るようにして海底から陸地を釣り上げ,それによって一面の海原だった世界に,島が出現したという神話がある。 ギリシア神話によれば,海ポントスは大地女神ガイアの息子だが,母と交わって多くの子孫を得た。その中の長子が,〈海の老人〉とあだ名される非常な知恵者で年寄りの海神ネレウスで,あらゆるものに自在に変身する能力をもち,ネレイデスNērēidesと呼ばれる50人(または100人)の美神たちの父親である。…

【カッパドキア】より

…範囲は時代によって違いがあるが,東はユーフラテス川を境にアルメニア地方に接し,西はトゥズ湖,南はトロス山脈によってキリキア地方と接し,北は黒海に及ぶ。ただしローマ時代以降,黒海に臨む北部はポントス(ポントゥス)地方として通例カッパドキアには含めない。アナトリア高原に当たり,冬の厳しい寒さと夏の乾燥のため農耕に適せず,牧畜がおもな生業となっている。…

※「ポントス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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