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マイコプラズマ mycoplasma

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

マイコプラズマ
mycoplasma

最も単純な微生物一群で,分類学的には細菌ウイルスの中間的位置におかれ,マイコプラズマ属 Mycoplasmaに約 15種が知られている。広く自然界に分布し,未発見の種も多い。最初にウシの肺疫の病原体である M.mycoidesが分離された (1898) ことから,ウシ肺疫菌類似生物 pleuropneumonia-like organismという語の頭文字を取って PPLOと略称される。微生物中最小のもので,大きさ 0.1~0.25nm程度。細菌を阻止するろ過器を通過してしまう点でウイルスと同様であるが,ウイルスと異なって,無細胞培地でも成育させることができる。細胞壁はなく,サルファ剤とかある種の抗生物質には攻撃されないなど,細菌と異なる性質も多い。

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百科事典マイペディアの解説

マイコプラズマ

通常の細菌より小さい多形態のマイコプラズマ目の細菌の総称。大きさ50〜300nm,細胞壁をもたず,人工培地に増殖して集落をつくる。牛肺疫病原体(PPLO)として分離され,その後,人や動物の腟(ちつ)などからも分離された。
→関連項目風邪原核生物性行為感染症マイコプラズマ肺炎

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栄養・生化学辞典の解説

マイコプラズマ

 微生物の1綱で3科があり,Mycoplasma属,Ureaplasma属,Acholeplasma属,Spiroplasma属がある.細胞壁をもたないが,人工培養でき,発育にはコレステロールが必要.ヒトや動物に寄生し,病原体となる.

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世界大百科事典 第2版の解説

マイコプラズマ【mycoplasma】

マイコプラズマ目Mycoplasmatalesに属する細菌の総称。マイコプラズマ属をはじめ3属が分類されている。菌体は径125~200nmの基本小体と,ときに長さが150μmにもなるフィラメントからなる。菌体の大きさがウイルスなみであることや,細胞壁を欠くことなどから,細菌とウイルスの中間に位置するものと考えられるが,基本小体が増殖能をもち,無細胞培地で培養できることから,現在では細菌に分類されている。

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大辞林 第三版の解説

マイコプラズマ【mycoplasma】

マイコプラズマ目に属する微生物群。細菌濾過ろか器を通過し、細胞壁を欠くことから、ウイルスと細菌との中間に位置するものと考えられる。グラム陰性で熱に弱い。40種以上知られ、動物に肺炎・関節炎、植物に萎黄いおう病・天狗巣病などを起こす。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

マイコプラズマ
まいこぷらずま
mycoplasma

広義にはマイコプラズマ目Mycoplasmatalesの細菌をさし、狭義ではマイコプラズマ属Mycoplasmaの細菌をいう。多形態性で、小形であるため分類学上の位置について議論はあったが、明瞭(めいりょう)な細胞構造があること、DNA(デオキシリボ核酸)、RNA(リボ核酸)の両方を同一細胞中にもつことから細菌とする。
 マイコプラズマ目は次の6属をいう。
(1)スピロプラズマSpiroplasma 11種。生息場所(病原性を含む。以下同)はおもに柑橘(かんきつ)類、トウモロコシ、ダイコン、ソラマメ、ワサビ。
(2)ウレアプラズマUreaplasma 5種。生息場所はヒトやその他の哺乳(ほにゅう)動物の口、呼吸器、尿道。
(3)マイコプラズマMycoplasma 92種。生息場所はヒト、ウシ、ブタ、ニワトリ、ラット、マウスの呼吸器、神経組織、関節、腟(ちつ)。種によっては植物、昆虫。
(4)アコレプラズマAcholeplasma 12種。生息場所は植物、昆虫。
(5)アネロプラズマAnaeroplasma 4種。生息場所はウシ、ヒツジのルーメン(反芻胃(はんすうい))。
(6)アステロプラズマAsteroplasma 1種。生息場所は下水、塵埃(じんあい)
 マイコプラズマ目の特徴はグラム陰性、細胞壁を欠くが2層の細胞膜に包まれている。小形で多形性、分枝した糸状の細胞は螺旋(らせん)状となる。通常は運動性はないが滑走運動をすることがある。微好気性(通性嫌気性)4属、嫌気性2属がある。ステロイド要求性4属、ステロイド要求性陰性2属がある。一般に宿主(しゅくしゅ)(寄生対象となる生物)域は狭く、ヒトに感染するものは他の動物に感染することはない。
 マイコプラズマ属の特徴は多形態性、球形や短卵形で0.3~0.8マイクロメートル(1マイクロメートルは100万分の1メートル)、分枝した糸状細胞は150マイクロメートル。通性嫌気性(微好気性)、キノンやチトクロムを欠く。培養上の集落(コロニー)は目玉焼き状で典型的である。化学有機栄養要求性chemoorganotrophicである。コレステロールを要求する。基準種はマイコプラズマ・ミコイデスM. mycoides
 なお、マイコプラズマ・プネウモニアM. pneumoniaはヒトの肺炎をおこし、ウレアプラズマ・ウレオリテクムU. urealyticumは非淋菌(りんきん)性尿道炎や、不妊症の原因となり、スピロプラズマ・シトリS. citriは柑橘類の黄葉病をおこす。[曽根田正己]
『輿水馨・清水高正・山本孝史編『マイコプラズマとその実験法』(1988・近代出版) ▽『マイコプラズマ感染症の基礎と臨床』(『臨床と微生物』vol.30, No.1・2003・近代出版)』

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世界大百科事典内のマイコプラズマの言及

【寒冷凝集反応】より

…これは正常ヒト血清中に少量だが低温で血球と結合して凝集を起こし,高温ではずれる寒冷凝集素と呼ばれる自己または同種自然抗体があるためで,この抗体で起こる上述の現象,またはそれを検出,測定する方法を寒冷凝集反応という。寒冷凝集素は,マイコプラズマ(Mycoplasma pneumoniae)感染による非定型肺炎,EBウイルス感染による伝染性単核症,良性単クローン性高γ‐グロブリン血症,一部の多発性骨髄腫患者等に顕著に現れる。このほか,この抗体は,リステリア(Listeria monocytogens,IVB株),アデノウイルス,サイトメガロウイルスの感染,大腸,肺の腫瘍等の際にも認められ,自己免疫性溶血性貧血に関与する抗体もこの性質を強く示すものがある。…

※「マイコプラズマ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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