マリウポリ(読み)まりうぽり(英語表記)Мариуполь/Mariupol'

デジタル大辞泉 「マリウポリ」の意味・読み・例文・類語

マリウポリ(Mariupol'/Маріуполь)

ウクライナ南東部、ドネツク州の港湾都市アゾフ海に注ぐカリミウス川河口部に位置する。近郊に炭田と鉄山があり、製鉄業化学工業が盛ん。ドンバス重工業地帯の工業都市一つとして知られる。1948年から1989年まで、旧ソ連の政治家アンドレイ=ジダーノフにちなみ、ジダーノフとよばれた。

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共同通信ニュース用語解説 「マリウポリ」の解説

マリウポリ

黒海につながるアゾフ海に面したウクライナ東部ドネツク州の工業都市。重要港湾を抱え、製鉄機械、化学工業が盛ん。侵攻前の人口は約43万人。昨年2月の侵攻開始直後から、ロシア軍と、親ロシア派「ドネツク人民共和国」の武装勢力が都市を包囲して砲撃を続け、同3月16日、避難者が身を寄せていた劇場が空爆されて多数が犠牲になった。ウクライナ内務省系の軍事組織「アゾフ連隊」がアゾフスターリ製鉄所に立てこもり抵抗を続けたが、ロシア国防省は同5月に完全制圧を宣言した。(共同)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「マリウポリ」の意味・わかりやすい解説

マリウポリ
まりうぽり
Мариуполь/Mariupol'

ウクライナ東部の港湾都市。人口49万2000(2001)、44万1098(2018推計)。ウクライナ東端のドネツク(ドネツィク)州にあり、ドネツ丘陵を北から南に流れてアゾフ海に注ぐカリミウス川河口に位置している。1778年に建設され、19世紀にはウクライナの小麦石炭の積出し港として知られた。当地出身で1948年に死亡した政治家A・A・ジダーノフの名にちなみ、同年ジダーノフ市と改称し、1989年までその名でよばれたが、ソ連崩壊によりもとの名に戻った。ドネツク工業地帯の一部をなし、臨海工業地帯を有する。アゾフスターリ(アゾフスタル)製鉄所をはじめ、大型機械組立て、船舶修理、化学、コークス製造、食品加工などの工業、軽工業がある。また、冶金(やきん)工業大学、郷土博物館、民族博物館、劇場があり、泥浴(でいよく)療養地としても知られる、文教・保養都市である。

[上野俊彦]

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改訂新版 世界大百科事典 「マリウポリ」の意味・わかりやすい解説

マリウポリ
Mariupol’

ウクライナ南東部,ドネツク州のアゾフ海に面する都市。人口47万9045(2005)。市の起源は1778年で,エカチェリナ2世によりマリウポリMariupol’(世継ぎの皇帝パーベル1世の妻マリアの町という意味)と命名された。19世紀末,ドネツ炭田の石炭,クリボイ・ログの鉄鉱を背景に機械・金属などの重工業が急成長し,南ウクライナ工業地帯の中核都市の一つになった。この地出身のA.A.ジダーノフが1948年に急逝したのに伴い,ジダーノフと変更され,89年現名に改称。
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百科事典マイペディア 「マリウポリ」の意味・わかりやすい解説

マリウポリ

ウクライナの南東部,アゾフ海に臨む港湾都市。冶金,機械,製鋼などの工業が行われる。19世紀後半ドネツ炭田の開発とともに発展。1948年―1989年A.A.ジダーノフを記念してジダーノフと改称。46万4457人(2012)。

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