翻訳|marimba
旋律打楽器の一種。木琴の一種でアフリカに起源をもつ。材料は音の伝導が速く,振動が長いホンジュラスローズウッドが最適。板振動を応用して調律された長さ19~42.5cm,幅4~6.5cm,厚さ1.8~2.3cm,裏側はアーチ型の音板を枠の上に並べ,各音板の下には金属製または木製の共鳴管が取り付けてある。音域は通常ハから4オクターブ上。特殊なものにはこれより広い音域をもったものもある。桴は先が生ゴム製か毛糸か綿糸で巻いたものを使用する。
アフリカのモザンビークのチョピchopi族はティンビラtimbilaというマリンバで編成した楽団をもち,マリンバという女神の伝説さえもある。アフリカから中米に広まり,今ではグアテマラやメキシコを代表する楽器となっている。アメリカのディーガンJ.C.DeaganとマッサーClair Omar Musserが今日のようなマリンバに改良し,より洗練されたものにした。マッサーは100人のマリンバ・オーケストラを組織し,1935年にカーネギー・ホールでコンサートを開き,パリをはじめヨーロッパ18都市でも公演,マリンバの普及に貢献した。
執筆者:有賀 誠門
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アフリカ系の木琴の総称、およびそれに由来する木琴の一種。アフリカ起源で、ラテンアメリカ、さらにアメリカに持ち込まれて近代的に改良された。語源は、アフリカのバントゥー諸語の複数を示す接頭辞「マ」と「平らな物体」を意味する「リンバ」を組み合わせたものにある。1910年以後アメリカで数々の改良が加えられ、40年代以降、西洋楽器としてジャズや管弦楽で確固たる地位を築いた。ローズウッド製の音板を枠の上に半音階で配列し、各音板の下に金属製または木製の共鳴管を取り付けた形態で、通常C3から上へ約3オクターブの音域をもつ。先端が生ゴム製の2本の桴(ばち)を両手に持って打奏する。なお、アフリカでは摘奏(てきそう)体鳴楽器サンザをこの名称でよぶ地域もある。
[藤田隆則]
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…これらの弦楽器はハープ系やリラ系が多い。アフリカにおいて最も注目されるのは,マリンバ,バランキ,ティンピラなど多くの呼称をもつ旋律楽器の木琴類である。ヒョウタンの共鳴器をつける場合が多い。…
※「マリンバ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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