マルグレーテ(英語表記)Margrete

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マルグレーテ」の意味・わかりやすい解説

マルグレーテ
Margrete

[生]1353. セーボリ
[没]1412.10.28/29. フレンスブルク
ノルウェーデンマークの女王 (在位 1387~1412) ,スウェーデン女王 (在位 1389~1412) 。カルマル同盟の創設者。デンマーク王バルデマール4世の娘。 1363年わずか 10歳でノルウェー王ホーコン6世 (在位 1355~80) と結婚。子オーラフ4世はバルデマール4世の死後デンマーク王 (在位 75~87) となり,マルグレーテは摂政となった。次いでホーコン6世の死によってオーラフはノルウェー王 (在位 80~87) ともなり,幼少であったため,引続きマルグレーテが摂政となって実権を握った。オーラフ夭折ののち,姪マリエとポンメルン公との子であるエーリック養子とし,まずノルウェーの王位につかせ (89) ,次いでスウェーデン,デンマークの元老院を動かして国王とさせ (96) ,最後にスウェーデンのカルマルにおいて3国の貴族を集めて同一の君主のもとに3国が連合することを誓わせた (97) 。このカルマル同盟は名目上はエーリックが王であったが,実質上はマルグレーテがその死にいたるまで実権を握った。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「マルグレーテ」の解説

マルグレーテ
Margrethe

1353~1412

デンマークの王女。1375年,父ヴァルデマ4世死後,息子オーロフをデンマーク王に即位させ,夫ノルウェー王ホーコン6世の死後には,ノルウェー王位に即位させた。87年オーロフの急死後,女性に王位継承権がなかったデンマーク王国の「完全なる資格をもつ主婦で,主人かつ後見人」に選出され,実権を握り,姉の孫エーリク・ア・ポンメルンを北欧三国の王につかせ,97年にはカルマル連合を結成させ,生涯実権を握った。

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旺文社世界史事典 三訂版 「マルグレーテ」の解説

マルグレーテ
Margrete

1353〜1412
カルマル同盟によって北欧3国を統一したデンマーク女王(在位1387〜1412)
ノルウェー王ホーコン6世と結婚したが,夫・王子の死後デンマーク・ノルウェー女王になった。さらにスウェーデンを破って国王を捕虜とし,1397年にカルマル同盟を結んで,共同君主としてデンマーク・ノルウェー・スウェーデン3国の王位を兼ねた。

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