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マンサク

百科事典マイペディアの解説

マンサク

マンサク科の落葉低木〜小高木。北海道南西部〜九州に分布し,山地にはえる。葉は菱形状楕円形で厚く,縁には波状鋸歯(きょし)がある。2〜4月,葉の出る前に前年枝の節に数個の花を開く。

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世界大百科事典 第2版の解説

マンサク【Hamamelis japonica Sieb.et Zucc.】

黄色い紐のからんだような花をつけるマンサク科の落葉小高木(イラスト)。和名は春真っ先の開花,あるいは花が枝に満ちるさまにちなむという。高さ10m,径30cmに達し,樹皮は淡灰褐色,当年枝は星状毛をおびる。冬芽は裸芽で柄がある。葉は互生し,ひし状円形ないし倒卵形で,長さ4~12cm,先端はやや鋭形で上半に深い波状鋸歯がある。表面は深緑色で光沢があり,裏面の星状毛はまもなく落ちる。黄・紅褐色に色づき翌春まで枝に残る。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

マンサク
まんさく / 満作
[学]Hamamelis japonica Sieb. et Zucc.

マンサク科の落葉小高木。高さ10メートルに達する。幹は灰褐色。葉は菱(ひし)状倒卵形で、長さ5~10センチメートル。葉の展開に先だち、2~3月、葉腋(ようえき)から出た短枝に1~2個の黄色花を開く。果実は(さくか)。名は、早春に花が枝いっぱいにつく状態を豊作に例えたもの。山地に普通に生え、東北地方南部以西の本州の太平洋側、および四国、九州に分布する。変種のマルバマンサクは、葉は広倒卵形で先端が丸い。北海道南西部、東北地方以西の本州の日本海側に分布する。ともに樹皮は強靭(きょうじん)で、棚や籠(かご)材にするほか、薪(まき)の結束に用いられる。
 マンサク属は6種からなり、東アジアと北アメリカに隔離分布する。[門田裕一]

文化史

マンサクの名は『四季賞花集(しきしょうかしゅう)』(1805)に初見するが、マンサクの異名とされるアオモミは、それより先『聚芳帯図左編(しゅうほうたいずさへん)』(1727)に記載されている。『茶席挿花集(ちゃせきそうかしゅう)』には捻臘花(ねんろうか)の漢字があてられている。江戸後期にはいけ花にも使われた。マンサクの中国名は金縷梅(きんろうばい)であるが、これは正確には中国産で近縁のシナマンサクH. mollis Oliv.をさす。マンサクの語源について、飯沼慾斎(いいぬまよくさい)は『草木図説』(1856)で、「まづ咲くの意ならん」と記している。ほかにも「満作」「満咲く」、果実がしいな状であることを嫌ってしいな(不作)に対する反対語である(中村浩『植物名の由来』)などの諸説がある。マンサクとよばれる植物は、ほかに北海道や東北のフクジュソウ、東北南部のキクザキイチゲがある。それらはいずれも早春野外で真っ先に咲く草花であることからすると、マンサクの名の由来は「まず咲く」説が有力である。[湯浅浩史]

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