混成岩、融合岩ということもある。片麻(へんま)岩地域では、その中にある花崗(かこう)岩体の周縁部に、片麻岩の大小の岩塊が、浮遊しているような産状がしばしばみられる。このように、変成岩と火成岩とが互いに混ざり合い、混然とした状態になっているものをミグマタイトという。ミグマタイトは、変成岩の捕獲岩が花崗岩マグマに取り込まれたものとみることができる。一方、変成岩の片理や縞状(しまじょう)構造に平行に、花崗岩質の脈が注入し、縞状片麻岩または注入片麻岩といわれる状態になったものも、ミグマタイトの一つとされている。この場合には、花崗岩質の脈状部は、マグマとして外部から注入されたとも考えられ、また、それは変成岩の一部が溶融し、流動して脈状になったもので、外部からのマグマの注入ではないとも考えられ、昔から論争が絶えない。
ミグマタイトには、これらのほかにもいろいろな状態のものがあり、とくに変成岩と花崗岩の境界がはっきりせず、花崗岩マグマが変成岩を同化しつつあるとみえたり、あるいは変成岩が完全に溶融しきる一歩手前のものとみえたりする場合がある。
ミグマタイトは、造山帯の内部で、花崗岩に富む地域に多くみられ、とくに先カンブリア時代の楯状地(たてじょうち)にはミグマタイトが広く発達している。命名はギリシア語の混合物の意のmigmaによる。
[橋本光男]
migmatite
片岩や片麻岩質岩石からなる部分と花崗岩質の部分とが不均質に混在した岩石。低圧型変成帯の高温部や花崗岩体周辺部などに分布することが多い。ギリシア語で「混合物」を意味するmigmaからJ.J.Sederholm(1907)が命名。その後K.R.Mehnert(1968)が再定義。研究者により,アナテクシス・同化作用・注入変成作用など特定の成因と結びつけて用いられることがあるが,成因にかかわらず広く用いることができる。片岩・片麻岩質の部分と花崗岩質の部分との分布形態によって,さらにベナイト(venite)・アグマタイト(agmatite)・ネビュライト(nebulite)などの表現が用いられる。
執筆者:志村 俊昭
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報
混成岩ともいう。非常に高い温度の変成作用をうけると,岩石は部分的に融解し,そのマグマと高温の変成岩が混ざりあう。こうしてできた岩石をミグマタイトという。部分的に融解してできたマグマの化学組成はだいたいにおいて花コウ岩のそれに近い。また混ざりあうときには,変成岩に層状または脈状にマグマが浸透し,そのマグマと変成岩との境は不明瞭となる場合が多い。そこで見かけ上,縞状片麻岩と似たものになる。このようなミグマタイトがつくられる温度は大体700℃以上と考えられる。岩石に含まれている水分が少ないと温度は高くなる。
執筆者:鳥海 光弘
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…これより高い温度では,水分を含んだ岩石は融解がはじまり,連続的にマグマがつくられる。この現象はふつうアナテクシスanatexisと呼ばれ,このようにしてできた岩石はミグマタイト(混成岩)と呼ばれる。また低い温度では再結晶作用が著しくゆっくりと進行するため,見かけ上ほとんど変成作用は起こらない。…
※「ミグマタイト」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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