ミシュコルツ(読み)みしゅこるつ(英語表記)Miskolc

デジタル大辞泉 「ミシュコルツ」の意味・読み・例文・類語

ミシュコルツ(Miskolc)

ハンガリー北東部の都市ブダペストデブレツェンに次ぐ同国第三の都市であり、北東部の中心地。18世紀に同国初の製鉄工場が建設され、第二次大戦後は旧ソ連を中心とするコメコン体制の下、コンビナート基地を擁する工業都市として発展した。中世に建造されたディオーシュジュール城ほか近郊には洞窟温泉で知られる村ミシュコルツタポルツァやハーモリ湖畔の避暑地リラフレドなどがある。

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改訂新版 世界大百科事典 「ミシュコルツ」の意味・わかりやすい解説

ミシュコルツ
Miskolc

ブダペスト,デブレツェンに次ぐハンガリー第3の大都市。ハンガリー北部,ビュク山系の東のふもとにある工業都市。ボルショド・アバウーイ・ゼムプレーン県の県都。大学都市で,近くに保養地もある。人口17万5058(2005)。10世紀末にハンガリー人が定住してから発展し始め,ディオーシュジェールの城がつくられた(現在の市の東端にある)。14世紀からブドウ,ブドウ酒生産が発展した。オスマン・トルコの支配期には1596年から貢納を支払うだけで,破壊は免れた。しかし18世紀初頭の対オーストリア解放戦争期には戦場となって荒廃したが,18世紀からガラスなどの手工業の中心として新たに発展した。やがて19世紀には,周辺の豊かな鉱産を利用して鉄鋼業,化学工業が発展,以後ハンガリー重工業の拠点となる。第2次大戦期には反ファシズムレジスタンスの拠点となった。郊外には有名なリラフュレドという保養地があり,町の雰囲気も進取の気に富む。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ミシュコルツ」の意味・わかりやすい解説

ミシュコルツ
みしゅこるつ
Miskolc

ハンガリー北東部、ボルショド・アバウジ・ゼムプレーン県の県都。北東ハンガリーの中心地で、人口18万4125(2001)。同国第三の大都市。18世紀にハンガリー最初の製鉄工場が建設されたディオシュジョール地区は、ボルショド炭田の褐炭とハダバニヤの鉄鉱石資源を背景にして、第二次世界大戦後、一大製鉄コンビナート基地に発展した。ほかに機械セメント、ガラス、耐火れんが肥料などの重化学工業が発達する。周辺の丘陵地帯は戦前からの豊かな農業地帯で、ブドウ、リンゴ、アンズなどの果樹栽培と果実酒の生産が盛ん。とくにゼムプレーン山麓(さんろく)のトカイ・ワインは世界的に有名。博物館、工業大学がある。

[古藤田一雄]

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百科事典マイペディア 「ミシュコルツ」の意味・わかりやすい解説

ミシュコルツ

ハンガリー北東部,ボルショド・アバウージ・ゼムプレーン県の県都で,工業都市。ティサ川支流シャヨ川に沿う。冶金・機械・セメント・繊維・食品工業が行われ,近郊のディオーシュジェールには鉄鋼コンビナートがある。付近にはブドウ園が多くブドウ酒醸造も盛ん。大学都市でもあり,郊外にはリラフュレドの保養地がある。第2次大戦中は反ファシズム・レジスタンスの拠点であった。16万8000人(2011)。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ミシュコルツ」の意味・わかりやすい解説

ミシュコルツ
Miskolc

ハンガリー北東部の都市。ビュック山地の東麓,シャヨー川沿いに位置する。丘陵地帯と大平原の結節点に立地し,古くから商業の中心地として発達した。コムギ,ワイン,果物,肉牛,皮革などの集散地。付近に鉄鉱山があり,第2次世界大戦を契機に工業都市として急速に発展した。特産に靴などの皮革製品と磁器がある。人口 19万 4033 (1991推計) 。

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