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ミョウバン ミョウバン alum

翻訳|alum

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ミョウバン
ミョウバン
alum

普通にミョウバン呼ばれるものは,MAl(SO4)2・12H2O の一般式をもち (Mはアルカリ金属) ,M2SO4 と硫酸アルミニウム Al2(SO4)3 との複塩のことをさす。Mはまたアンモニウムタリウムなどによって置換することができ,アルミニウムは3価の鉄,クロムによって置換することができる。

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出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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栄養・生化学辞典の解説

ミョウバン

 Al2(SO4)3K2SO4・24H2O.

 膨張剤,保色剤などに使われる食品添加物

出典|朝倉書店
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ミョウバン
みょうばん / 明礬
alum

一般式MM(SO4)212H2OあるいはM2(SO4)M2(SO4)324H2Oで示される複塩の総称。Mは1価の金属イオンあるいはアンモニウムイオンで、ナトリウムNa、カリウムK、ルビジウムRb、セシウムCs、アンモニウムNH4、タリウムTlなどがある。Mは3価の金属イオンで、アルミニウムAl、ガリウムGa、インジウムIn、バナジウムV、クロムCr、マンガンMn、鉄Fe、コバルトCo、ロジウムRh、イリジウムIrなどがある。これらのうちM=K,M=Alのとき、すなわちKAl(SO4)212H2O(カリウムアルミニウムミョウバン)が、もっとも古くから知られており、これが初め「明礬」とよばれていたものである。現在でも単にミョウバンというときはこのものをさすことが多い。「ミョウバン」の語は、ラテン語の「苦い塩」という意味のalumenに由来し、天然産のアルミニウムを含む硫酸塩がアルミニウムaluminiumの語源ともなっている。また「明礬」は「透明な礬類」の意味で含水硫酸塩のことであり(礬はアルミニウムの硫酸塩を意味する)、このものがガラスのような光沢をもっていることから名づけられたようである。[中原勝儼]

ミョウバン類の種類と構造

いずれも美しい正八面体結晶をつくり、特徴ある性質を示すので、それぞれの金属イオンの名称でよばれる(普通はM、Mの順)。ただしカリウムおよびアルミニウムは省略されることが多い。すなわち(NH4)Al(SO4)212H2Oはアンモニウムミョウバン、KCr(SO4)212H2Oはクロムミョウバンなどのようによぶ。硫酸塩ではなくセレン酸塩MM(SeO4)212H2Oでもまったく同形結晶をつくることもあるので、このような場合にはセレンミョウバンということもある。たとえば、KAl(SeO4)212H2O,TlCr(SeO4)212H2O,CsGa(SeO4)212H2Oなどがそうであり、それぞれセレンミョウバン、クロムタリウムセレンミョウバン、ガリウムセシウムセレンミョウバンなどとよんでいる。
 ミョウバン類はその結晶構造からα(アルファ)、β(ベータ)、γ(ガンマ)のように分類されることがあるが、普通のミョウバンは多くαでその代表的なカリウムアルミニウムミョウバンの構造はのようである。すなわちK[(H2O)6]+と[Al(H2O)6]3+の陽イオンが三次元的に交互に並び、これらのイオン四つの組でつくる立方体のそれぞれの中心に四面体の硫酸イオンSO42-が入っている構造である。このときの[Al(H2O)6]3+におけるAl-OH2距離は1.98オングストローム(Å)で、この結合は共有結合性が強く、[Al(H2O)6]3+は明らかに錯イオンをつくっている。これに対して[K(H2O)6]+ではK-OH2 2.94Åで、これは錯イオンというよりは、単なる水和イオンと考えられる。そのほかのミョウバンでも、多くはこれと同じような構造のαミョウバンであるが、Mのイオン半径が大きくなると硫酸イオンとの相互作用が出てきて、配位形式が変わってきてβミョウバンとなる。逆にMのイオン半径が小さいときは、硫酸イオンがαミョウバンと異なる位置に入るが、これがγミョウバンである。
 ミョウバン水溶液は、[M(H2O)6]3+が解離して弱酸性を示すが、水溶液から成長させると正八面体の大結晶が生じ、うまくすると1稜(りょう)の長さ数十センチメートルのものが得られる。[中原勝儼]

カリウムアルミニウムミョウバン

ミョウバン類の代表的なものである。カリウムミョウバンということもある。紀元前のギリシアですでにその存在が記録されている。ヨーロッパだけではなく、中国、日本でも媒染剤あるいは製紙用などに古くから使われている。硫酸カリウムと硫酸アルミニウムの酸性水溶液を濃縮、冷却すると得られる。明礬石KAl3(SO4)2(OH)6を粉砕し、硫酸に溶かして冷却しても得られる。無色の結晶で水に溶けやすく、エタノール(エチルアルコール)には難溶、グリセリンに可溶。水溶液は甘酸っぱい渋味がある。固体を160℃以下で穏やかに熱すると無水塩が得られるが、これは焼きミョウバンあるいは枯礬(こばん)という。急速に熱すると、92.5℃で結晶水に溶ける。200℃で結晶水を失い、三酸化硫黄(いおう)SO3を発して分解する。さらに熱すると硫酸カリウムと酸化アルミニウムになる。医薬品(湿布、防腐)、染色、顔料(レーキ)、製紙(サイジング)、皮なめし、めっき、食品添加剤、写真用硬膜剤、水の清澄剤などに用いられる。[中原勝儼]

アンモニウムミョウバン

硫酸アンモニウムと硫酸アルミニウムの酸性水溶液から結晶する無色の結晶。比重1.642。加熱すると結晶水を失い、高温では分解してアルミナとなる。アルミニウムカリウムミョウバンと同じように用いられる。[中原勝儼]

アンモニウム鉄ミョウバン

硫酸鉄()FeSO47H2Oの水溶液に硫酸を加えて煮沸し、硝酸で酸化する。この溶液に硫酸アンモニウムを加えて濃縮すると結晶として得られる。化学式(NH4)Fe(SO4)212H2O。淡赤紫色結晶。空気中では風解する。水に易溶、エタノールに不溶。150℃で(NH4)Fe(SO4)20.5H2Oとなり、230℃ではほとんど無水和物となる。媒染剤、写真用硬膜剤などに用いられる。[中原勝儼]

クロムミョウバン

硫酸クロム()と硫酸カリウムの混合水溶液から結晶が析出する。あるいは二クロム酸カリウムK2Cr2O7を硫酸酸性で、エタノール、二酸化硫黄などで還元して得られる。暗紫色結晶。25~30℃で結晶水の半分を失い、100℃ではさらに結晶水を失って緑色となり、350℃で完全に無水塩となり分解する。媒染剤、皮なめしに用いられる。[中原勝儼]

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