メカジキ(英語表記)broadbill swordfish
Xiphias gladius

改訂新版 世界大百科事典 「メカジキ」の意味・わかりやすい解説

メカジキ
broadbill swordfish
Xiphias gladius

スズキ目メカジキ科の海産魚。名はマカジキよりも大きな眼をしていることに由来するといわれる。世界の熱帯から温帯にかけて広く分布する。体長(尾叉長)4.5m,体重500kgになる。上あごが下あごの4倍くらい長く,その横断面は楕円形である。うろこ腹びれがなく,両背びれが著しく離れている。産卵期は2~9月にかけてで,産卵場は赤道をはさんだ広い範囲にわたる。食性は稚魚期には浮遊性の甲殻類を主体とするが,成魚になるとイカと魚類が主要な餌となる。ときには300~600mの深さまで潜り,中層性の魚類を食べることがある。剣状のくちばしを左右に振って魚をなぎ倒すといわれる。ときにはくちばしで舟板をつらぬくこともある。突ん棒やはえなわによって漁獲され,大型のものは刺身として生食もされるが,脂肪が多いのでふつうは焼魚にされる。
カジキ
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

百科事典マイペディア 「メカジキ」の意味・わかりやすい解説

メカジキ

メカジキ科の魚。地方名カジキ,ツン,ハイオなど。全長4.5mになる。鱗や腹びれがないのが特徴で,背面は灰青〜灰褐色暖海に広く分布し,日本付近では三陸近海に多い。ふつう背びれを水面上に出して,単独で泳いでいる。成魚の主要な餌はイカと魚類。性質が荒く,強大な吻(ふん)でクジラや大型の魚を襲うこともある。延縄(はえなわ)や突ん棒で漁獲。マカジキ類(カジキ)よりも肉色が淡く,バター焼などによい。特に欧米で好まれ,輸出される。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

栄養・生化学辞典 「メカジキ」の解説

メカジキ

 [Xiphias gladius].スズキ目メカジキ科の海産魚.4.5mになる.食用魚.

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のメカジキの言及

【カジキ】より

…おもに全世界の熱帯から温帯にかけての外洋部に生息する。太平洋,インド洋,大西洋に共通な種類はメカジキXiphias gladius(イラスト)のみで,インド洋・太平洋域にはマカジキTetrapturus audax(イラスト),フウライカジキT.angustirostrisバショウカジキIstiophorus platypterus(イラスト),クロカジキMakaira mazara,シロカジキM.indicaが,大西洋域にはニシマカジキT.albidus,チチュウカイフウライT.belone,クチナガフウライT.pfuegeri,ニシバショウカジキI.albicans,ニシクロカジキM.nigricansが分布する。 メカジキは一見したところマカジキ科の魚に似るが,形態的にも生態的にも異なる。…

※「メカジキ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

ゲリラ豪雨

突発的に発生し、局地的に限られた地域に降る激しい豪雨のこと。長くても1時間程度しか続かず、豪雨の降る範囲は広くても10キロメートル四方くらいと狭い局地的大雨。このため、前線や低気圧、台風などに伴う集中...

ゲリラ豪雨の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android