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メタルハライドランプ メタルハライドランプ metal halide lamp

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

メタルハライドランプ
メタルハライドランプ
metal halide lamp

高圧水銀ランプに金属のハロゲン化物を添加封入した放電ランプで,点灯すると金属ハロゲン化物が蒸発解離して金属特有の発光スペクトルが得られる。種々の金属ハロゲン化物の組合せにより,いろいろなランプがあるが,大別すると,効率本位のランプ (ナトリウムタリウムインジウムヨウ化物を封入したもの) と演色性本位のランプ (ジスプロシウムなど希土類元素のヨウ化物あるいはスズのハロゲン化物を封入したもの) とがある。

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デジタル大辞泉の解説

メタルハライド‐ランプ(metal halide lamp)

ナトリウムスズなどのヨウ化物をはじめ、金属のハロゲン化物メタルハライド)を混入した水銀灯アーク放電により各元素がそれぞれ異なった色調で発光し、太陽光に近い優れた演色性を示す。高輝度なため、大規模施設やトンネルなどの照明、プロジェクターの光源などに利用される。メタハラ。

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世界大百科事典 第2版の解説

メタルハライドランプ【metal halide lamp】

構造上は高圧水銀灯と類似しているが,発光管の中には水銀,希ガスのほかに発光金属がハロゲン化物(主としてヨウ化物)の形で封入されているものをいう。発光金属をハロゲン化物の形で用いるのは,(1)金属の発光を得るには放電管内の蒸気圧がある程度高くなければならないが,金属単体の場合よりハロゲン化物のほうが蒸気圧が高くなる,(2)アルカリ金属のように単体では高温の石英ガラスと反応しやすい金属も,ハロゲン化物にすることにより,反応を抑制できるなどの理由による。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

メタルハライドランプ
めたるはらいどらんぷ
metal halide lamp

金属のハロゲン化物を石英の発光管に封入し、アーク放電によって、金属ハロゲン化物を蒸発、解離させ、それによって放射される金属およびその化合物特有の光を利用したランプ。1961年アメリカのレイリングGilbert H. Reiling(1928― )が水銀ランプの発光管の中にナトリウム、タリウムおよびインジウムのヨウ化物を添加封入して、光色や演色がともに大幅に向上することを発表し、実用化された。その後、スカンジウムおよびナトリウムのヨウ化物入り、ジスプロシウム、タリウムおよびインジウムのヨウ化物入り、ヨウ化スズ入りなどのランプが実用化された。封入した金属およびその化合物固有のスペクトルが得られるので、効率は水銀ランプの発光効率よりも高く、また演色性(色の見え方)を向上することができる。日本で初めて実用化されたのはスズ入りランプで、1966年(昭和41)名古屋の銀行営業室の照明に用いられた。のち1970年大阪で開かれた万国博覧会で多くのメタルハライドランプが使用され、普及するようになった。[小原章男・別所 誠]

構造・原理

水銀ランプと類似した構造で、石英の発光管の中に水銀と希ガス(アルゴンなど)のほか金属のハロゲン化物を封入する。外管のガラス球内は窒素などの不活性ガスを封入するか、真空にする。電極間のアーク放電により、金属ハロゲン化物は金属原子とハロゲン原子とに分解し、金属原子の励起、電離によって、金属およびその化合物特有の光を発生する。ナトリウム、タリウムなどは線スペクトルである。また、スズのハロゲン化物の場合は分子状で発光するので、連続スペクトルである。[小原章男]
 金属ハロゲン化物を使用するのは、金属単体と比較して、金属蒸気の蒸気圧が高くできるからである。2000年代に入ると、発光管の石英をセラミックスとすることによってより効率を高めたセラミック・メタルハライドランプが主流になっている。セラミックスは石英に比べて化学的に安定なので、封入する金属ハロゲン化物との反応が抑制され、使用できる化学物質の範囲を広げることができる。その結果、石英タイプのメタルハライドランプよりも効率を高め、演色性も向上させることが可能になった。[別所 誠]

種類

(1)ナトリウム‐タリウム‐インジウム系 ナトリウムの橙黄(とうこう)色(主波長589ナノメートル)、タリウムの緑色(535ナノメートル)、インジウム(451ナノメートル)の線スペクトルとを組み合わせた白色光で、100~2000ワットの種類がある。
(2)スカンジウム‐ナトリウム系 スカンジウムの多数のスペクトルとナトリウムの線スペクトルとを組み合わせたランプ。100~2000ワットの種類がある。この種類がもっとも多く使用されている。
(3)ジスプロシウム‐タリウム系 ジスプロシウムの多数のスペクトルとタリウムの線スペクトルとを組み合わせたランプ。50~3500ワットの種類がある。
(4)スズ系 スズのハロゲン化物の分子発光による連続スペクトルを利用したもの。光色と演色がともに優れたランプで、125~400ワットの種類がある。
(5)ショートアーク型 映写機、カラーテレビ、映画撮影などの光源として、ジスプロシウム‐ホルミウム‐ツリウム、ナトリウム‐タリウム‐インジウム(またはガリウム)およびスズ‐インジウムのハロゲン化物入りなどのショートアーク型ランプがあり、演色性が優れている。
(6)特殊用途のもの 封入金属によって特有の光を出すことができるので、用途に応じたランプがある。複写機用、印刷・製版焼付け用(ガリウム入り)、インキ硬化用(鉄入り)、紫外線用、光化学反応用(ナトリウム、タリウム入り)などが実用化されている。100ワット~60キロワットの範囲で実用化されている。[小原章男・別所 誠]

特性および用途

演色性が比較的優れ、効率も水銀ランプの1.5倍であるが、寿命は6000~9000時間である。屋内外のスポーツ施設、高天井の工場、事務所、ホール、店舗などの照明として使用されている。[小原章男・別所 誠]

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世界大百科事典内のメタルハライドランプの言及

【照明】より

…まず,光源別では,事務所,工場,大規模店舗などにおいて,蛍光灯やHIDランプ(high intensity discharge lampの略。高輝度放電ランプともいう)による効率本位の高照度,省電力照明が好まれ,色彩の検査作業や色物を扱う店舗のほか美術館,博物館では高演色性の蛍光灯やメタルハライドランプ(水銀に金属ハロゲン化物を添加して色と効率を改善した一種の水銀灯)による高演色性照明が賞用されている。演色性とは光源が物の色を自然に見せる特性である。…

【電灯】より

…色補正を施した蛍光高圧水銀ランプは50年にアメリカで発表され,いまや道路や高天井の工場や体育館などに賞用されている。ナトリウム,タリウム,インジウムのハロゲン化合物を入れたメタルハライドランプは61年にアメリカで発明され,日本での製造は69年,その後,スカンジウム,ナトリウム系のメタルハライドランプが出現して,蛍光水銀灯の約1.7倍の効率となっている。高圧ナトリウムランプは1963年,アメリカで製造を開始し,日本では69年からであるが,メタルハライドランプと同様,水銀灯安定器適合型の高圧ナトリウムランプが出現した結果,蛍光水銀灯の約2.4倍の効率となり,省電力照明に寄与している。…

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