改訂新版 世界大百科事典 「メーサ」の意味・わかりやすい解説
メーサ
mesa
ほぼ水平に重なる岩層群に対する差別削剝の結果として生じた台地。メーサはテーブルを意味するスペイン語に由来し,平らな頂面をもつ高原や丘を指す。平坦な台地面とその周囲の急崖は強抵抗性岩層で構成され,急崖より下の急斜面は弱抵抗性岩層と,それを覆う崖錐堆積物で構成されている。河川の側刻作用などにより河間地が縮小する過程において,弱抵抗性岩は河食や風食,マス・ウェースティングなどによって容易に削剝されるのに対し,強抵抗性岩は削剝されにくいため,後者を頂部にもつ台地が生じたものである。強抵抗性岩は溶岩,固結した火山砕屑岩,砂岩,レキ岩,石灰岩など,また弱抵抗性岩は未固結の火山砕屑岩,泥岩,各種の風化岩であることが多い。下位の弱抵抗性岩の削剝が進むと,強抵抗性岩は支持力を失い崩壊する。メーサが縮小したものをビュートという。九州の万年山,香川県の屋島,群馬県の三峰山はメーサの好例である。
→組織地形
執筆者:鈴木 隆介
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報