モモ(桃)(読み)モモ(英語表記)Prunus persica; peach

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「モモ(桃)」の意味・わかりやすい解説

モモ(桃)
モモ
Prunus persica; peach

バラ科の落葉低木または小高木。中国原産で,古くから日本各地に観賞用や果樹として広く栽培されている。幹は高さ 3mぐらいになり,葉は互生し長さ 10cmあまりの長披針形で縁に鋸歯がある。3~4月に,葉と同時かやや先立って短柄のある花を葉腋に単生する。萼には軟毛があり,5枚の花弁は淡紅色で水平に開く。果実初夏に熟し多汁で美味。水蜜桃,白桃,天津桃など品種が多いが,分類学上は果実に毛があるものをすべてモモに含み,毛のないものはネクタリン P. persica var. nectarinaという。果実を食用とするほか,種子は漢方で咳止め,葉は桃葉湯としてあせもの薬とし,白い花を干したものは下剤として用いられる。生花は桃の節句の花として知られる。

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百科事典マイペディア 「モモ(桃)」の意味・わかりやすい解説

モモ(桃)【モモ】

中国原産といわれるバラ科の落葉果樹。高さ3m内外,葉は互生し,細長い披針形。縁には鋸歯(きょし)がある。4月にふつう淡紅色の花をつけ,果実は球形細毛を有し,6月中・下旬〜8月下旬に成熟する。日本にも古くからあったが,現在の栽培種明治になって中国から輸入された水蜜桃をもとに改良したものが多い。大久保,白桃,倉方早生などが有名品種。ほかに種々の缶詰用品種がある。また観賞用のモモはハナモモといい,種々の品種があり,庭樹のほか盆栽,切花などにされる。

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