モルゲンシュテルン(英語表記)Morgenstern, Oskar

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「モルゲンシュテルン」の意味・わかりやすい解説

モルゲンシュテルン
Morgenstern, Oskar

[生]1902.1.24. ゲリッツ
[没]1977.7.26. ニュージャージー,プリンストン
ドイツ生れのアメリカの経済学者。ウィーン学派 (→オーストリア学派 ) の理論経済学者として出発し,ウィーン学団の全盛期に狭義論理実証主義の直接的・自覚的影響を受けた経済学者の一人。 1929年ウィーン大学講師,35年同教授。この間オーストリア景気調査研究所長 (1930~38) をつとめ,38年ナチス・ドイツによるオーストリア併合でアメリカに亡命してプリンストン大学に入り,41年同大学教授,70年ニューヨーク大学教授。 J.ノイマンとともにゲームの理論の確立者として知られ,共著ゲームの理論と経済行動』 The Theory of Games and Economic Behavior (44) が最も著名であるが,『経済観測の科学』 On the Accuracy of Economic Observations (50) など著書,論文多数。

モルゲンシュテルン
Morgenstern, Christian

[生]1871.5.6. ミュンヘン
[没]1914.3.31. メラン
ドイツの詩人祖父,父は有名な画家。無邪気な空想とグロテスクなユーモアにあふれるノンセンス詩集絞首台の歌』 Galgenlieder (1905) などにより,近代詩史上特異な位置を占める。 1909年以後は哲学者 R.シュタイナー人智学に共鳴し,神秘主義的思索的詩風に転じた。

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改訂新版 世界大百科事典 「モルゲンシュテルン」の意味・わかりやすい解説

モルゲンシュテルン
Christian Morgenstern
生没年:1871-1914

ドイツの詩人。初めニーチェの影響を受け,のち神秘思想を経て晩年はR.シュタイナーの人智学に接近した。愛や自然を歌った真摯(しんし)な詩もあるが,むしろバーレスク風のグロテスクで幻想的な詩風で知られ,この傾向の代表作《絞首台の歌》(1905)は含蓄のある懐疑的なユーモア,皮肉な機知,奇矯な着想を随所に用いて,意味を失った現実世界を徹底的に揶揄嘲弄(やゆちようろう)している。
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百科事典マイペディア 「モルゲンシュテルン」の意味・わかりやすい解説

モルゲンシュテルン

ドイツの詩人。父,祖父は画家。《絞首台の歌》(1905年)や《パルムシュトレーム》(1910年)などのグロテスクなユーモアにみちた詩集で知られる。晩年はR.シュタイナーの人智学に接近した。北欧諸国の戯曲の翻訳で演劇にも影響を与えた。

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367日誕生日大事典 「モルゲンシュテルン」の解説

モルゲンシュテルン

生年月日:1902年1月24日
アメリカの経済学者
1977年没

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世界大百科事典(旧版)内のモルゲンシュテルンの言及

【言語遊戯】より

…20世紀のアポリネール,マヤコフスキー,D.トマスらにも同種の作があるが,キャロルの《不思議の国のアリス》でアリスが聞く〈長いお話(テールtale)〉が〈長い尾(テールtail)〉の形で印刷されているのが最も有名な一例かもしれない(図4)。これを突き詰めると,ドイツの詩人C.モルゲンシュテルンの《魚たちの夜の歌》のように,言葉は消え失せ,抽象的な記号となる(図5)。(7)音響詩 視覚より聴覚に傾いて,意味を拒絶した音の響きだけで成り立たせようと試みる詩。…

※「モルゲンシュテルン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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