ヤッコソウ

百科事典マイペディアの解説

ヤッコソウ

四国〜沖縄に分布し,暖地のシイの根に寄生するラフレシア科の多年生寄生植物。葉緑素はなく,全体乳白色だが,組織が死ぬとその部分は褐色になる。茎は太くて分枝せず,高さ5〜7cm,数対の1〜2cmの鱗片葉をつける。秋,茎頂に長さ1.5〜2cmの花を単生。花被は環状,おしべは筒形に合着して子房をおおい,子房が成熟すると,おしべ群は押し上げられて脱落し,柱頭が現れる。花は蜜を分泌し,メジロなどによる鳥媒花。宮崎市内海の発生地は特別天然記念物。
→関連項目寄生植物

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ヤッコソウ
やっこそう / 奴草
[学]Mitrastemon yamamotoi Makino

ヤッコソウ科の無葉緑素の多年草。根茎は円形でざらつく。花茎は高さ5~7センチメートル、肉質で白色、乾くと黒褐色になる。葉は鱗片(りんぺん)状で十字形に対生して斜上し、卵状三角形で背面は丸くて質は厚く、上方のものはしだいに大形となる。包葉はなく、晩秋に白色花を開くが、花被片(かひへん)は厚質、癒合して筒状となり、宿存する。雄しべは癒合して帽子状となり、初め子房を囲むが、のちにすっぽり脱落すると雌しべが現れる。子房は大形で卵球形、花柱は太くて短く、柱頭は扁円錐(へんえんすい)形で径4~6ミリメートル。花には蜜(みつ)があり、小鳥が吸いにくる。液果は橙(だいだい)色で長さ約2センチメートル。シイの根に寄生し、四国、九州に分布する。宮崎県内海(うちうみ)のものは特別天然記念物に指定されている。名は、花とその下の大形鱗片葉の形状を奴(やっこ)に見立てたもの。
 ヤッコソウ科Rafflesiaceaeはすべて寄生植物で、葉緑素を欠く多年草。熱帯、亜熱帯に8属約50種分布する。ラフレシア・アーノルディRafflesia arnordii R. Br.はスマトラ島産で、花は径45センチメートルに達し、世界一大きな花として知られる。[小林純子]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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