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ヤマカガシ Rhabdophis tigrinus

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ヤマカガシ
Rhabdophis tigrinus

トカゲ目ヘビ科。体長 60~120cm。背面は緑色がかった褐色あるいは暗褐色で,黒色斑が不規則に並ぶ。体前半部では黒色斑の間に黄褐色の横帯があり,その中に赤色の模様がある。顎の奥のほうに不完全な毒牙があり,頸部の背面にも特殊な毒腺をもっているので,取扱いには注意が必要である。卵生本州四国,九州に分布し,水辺に多い。

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百科事典マイペディアの解説

ヤマカガシ

ナミヘビ科のヘビで,日本でもっとも個体数が多い。全長0.6〜1.2m。普通,緑褐〜暗褐色,黒斑が散在するものが多いが,体色変異がある。本州,四国,九州に分布し,屋久島には1.4mを超える個体がいる。

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世界大百科事典 第2版の解説

ヤマカガシ【Rhabdophis tigrinus】

ナミヘビ科のヘビで,日本ではもっとも個体数が多い(イラスト)。本州,四国,九州,大隅諸島に分布し,近縁種が朝鮮半島,中国などに分布する。全長60~100cm,雄の最大は約1.2m,雌は約1.5mに達する。体はややずんぐりとしており体鱗には隆条が発達する。各地でふつうに見かけるが,平地や低山地の水田や池沼,流れ周辺の水辺に多い。上あごの後方には,前方の歯列と少し離れて1~2本の他より大きい歯がある。この奥歯には耳腺の一種であるデュベルノイ腺Duvernoy’s glandが開き,分泌液には出血性成分が含まれている。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ヤマカガシ
やまかがし
[学]Rhabdophis tigrinus

爬虫(はちゅう)綱有鱗(ゆうりん)目ナミヘビ科のヘビ。分類上は無毒ヘビで、日本ではもっとも生息密度が高く、各地で普通にみられるが、後述のとおりいくつかの特徴を備えた独特な種である。本州、四国、九州、大隅諸島(おおすみしょとう)に分布し、近縁種が朝鮮半島、中国などに分布する。全長60~100センチメートル、雄の最大は約1.2メートル、雌では1.5メートルほどに達する。体の前半部は赤色を帯びるが、体色・斑紋(はんもん)には変異が多く、若い個体では頸部(けいぶ)の黄帯が目だつ。普通の無毒ヘビと異なり、上顎(じょうがく)後方には、前方の歯列とすこし間隔を置いて1、2本の他より大きい歯があり、基部に耳腺(じせん)の一種であるデュベルノイ腺が開いている。腺の分泌液には出血性成分が含まれており、ヤマカガシが餌(えさ)と間違えて人間の指を奥歯で深くかんだ場合など、体質や毒量によっては皮下出血や毒ヘビの咬症(こうしょう)に似た症状がおこるケースがまれにある。したがって、本種を直接取り扱う場合には、注意を要する。また頸部の真皮内には、円形組織の頸腺が十数対並んでおり、強く圧すると組織が破れて液が噴出する。この頸腺の液が天敵の目や口腔(こうこう)粘膜に付着すると炎症をおこさせる。人間の目に入れば角膜炎をおこさせ、実験的にはほかの無毒ヘビを斃死(へいし)させる。頸腺は自衛手段として有効なようで、本種は敵に出会うと、頭を下げ頸部を突き出すという特有の防衛姿勢をみせる。また老熟個体では、頸部を膨らませて立ち上がることがあり、多くの個体は体をひねり擬死をみせることがある。秋に交尾することが多く、翌年の初夏に8~20個を産卵する。餌は、ほかのヘビが嫌うヒキガエルを含むカエル、小鳥などである。[松井孝爾]

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