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ヨウ化水銀 ヨウかすいぎんmercury iodide

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ヨウ化水銀
ヨウかすいぎん
mercury iodide

(1) 二ヨウ化二水銀 (I) ,ヨウ化第一水銀 化学式 Hg2I2 。鮮黄色の結晶。光に当てると黒変するか,あるいは緑色を帯びる。比重 7.70,融点 290℃ (一部分解) 。水,アルコールに不溶。劇薬。 (2) ヨウ化水銀 (II) ,ヨウ化第二水銀 化学式 HgI2 。緋赤色の粉末。 130℃で黄色,冷却すると赤色となる。猛毒。比重 6.28,融点 259℃。一般に水に難溶であるが,ヨウ化水銀とヨウ化カリウムの複塩 K2HgI4・2H2O は水,アルコールに易溶である。これを水酸化カリウムの溶液に溶かしたものはネスラー試薬といわれ,アンモニアの検出剤として重要である。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ヨウ化水銀
ようかすいぎん
mercury iodide

水銀とヨウ素の化合物。一価および二価の化合物が知られている。
(1)ヨウ化水銀() 黄色ヨード汞(こう)ともいう。化学式Hg2I2、式量655.0。黄緑色粉末。硝酸水銀()水溶液にヨウ化カリウム水溶液を加えるか、エタノール(エチルアルコール)中でヨウ素と水銀を練り合わせて得られる。[I-Hg-Hg-I]のような分子がある。ヨウ化カリウム水溶液を加えると次のように不均化して、溶けると同時に水銀を析出して黒色となる。
Hg2I2+2KI―→K2[HgI4]+Hg
 水にほとんど不溶。エタノール、エーテルに不溶。アンモニア水に溶ける。医薬品として用いられることがあるが、ヨウ化カリウムを併用してはいけない。
(2)ヨウ化水銀() 化学式HgI2、式量454.4。赤色結晶。この赤色のものは常温で安定であるが、熱すると126℃で黄色のものに変わる。水に難溶、熱無水エタノールにはかなり溶ける(25℃, 1.8g/100g)。エーテル、アセトンに不溶、チオ硫酸ナトリウム水溶液に可溶。126℃以上に熱して得られる黄色のものは、黄色ヨウ化水銀とよばれ、黄色斜方晶系微結晶である。融点259℃、沸点354℃。比重6.271。ヨウ化カリウム水溶液でヨード水銀()錯塩をつくる。[中原勝儼]

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