ヨナ書(読み)ヨナしょ(英語表記)Book of Jonah

改訂新版 世界大百科事典 「ヨナ書」の意味・わかりやすい解説

ヨナ書 (ヨナしょ)
Book of Jonah

旧約聖書〈12小預言書〉の一つ。預言者託宣を集めたものではなくて,ヨナという一人物の物語。内容は以下のとおり。1章,ヨナはニネベの町に行って宣教するよう命ぜられるが,主の命に従わず,タルシシの方へ船で逃げる。途中で嵐が起こり,船は危険に瀕する。嵐がだれのせいかを知るために人々がくじをひくと,ヨナに当たる。ヨナは嵐の責任を追及され,海に投げ込まれるが,大魚にのまれ,その腹の中に3日3夜とどまる。2章,ヨナの祈り。3章,再び神の言葉が臨み,ニネベにつかわされ,その滅びを告知する。人々は悔い改め,神は災いを下すことをやめる。4章,ヨナはこれを不快として神に抗議し,死ぬことを求めるが,神はトウゴマをもってヨナの抗議の不当なことを逆に問い返す。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のヨナ書の言及

【ヨナ】より

…(1)ガテ・ヘペルのアミッタイの子で,北イスラエル王国ヤラベアム2世の時代に,イスラエルの国力回復を預言した主の僕,預言者(《列王紀》下14:25)。(2)旧約聖書《ヨナ書》の主人公。神の命令にそむいて逃げたが,再び宣教につかわされ,ニネベの町の滅亡を告知する。…

※「ヨナ書」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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