コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

ヨーガ yoga

翻訳|yoga

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ヨーガ
yoga

呼吸を整え,精神統一をはかる修行法インダス文明の遺跡にヨーガ修行をかたどった像が発見されているところから,アーリア人侵入以前からインド固有のものとして存在したと推定される。ヨーガの目的は瞑想を通じて寂静の神秘境に入り,絶対者と合一することであるが,その境地がインド哲学諸派の求める解脱の境地と一致するため,諸学派の実践修行法として採用された。特に集大成組織化したのはヨーガ学派である。仏教でも観法として行われるが,禅定として特異の発達をとげた。現在,西洋および日本でヨーガという場合は原意を少し離れ,ヨーガを応用した心身の鍛練法をさすことが多い。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について | 情報

デジタル大辞泉の解説

ヨーガ(〈梵〉yoga)

ヨーガ派が心身の調整・統一を図る修行法。特殊な座法・呼吸法などを行い、これによって解脱に至ると説く。仏教を通してチベットへ伝わり、中国・日本にも伝わった。現在は健康法としても行われる。ヨガ

出典|小学館デジタル大辞泉について | 情報 凡例

百科事典マイペディアの解説

ヨーガ

〈結合〉〈制御〉〈集中〉などを意味するサンスクリットで,転じて呼吸の抑制,感官の統御,禅定(ぜんじょう),心統一,精神集中によって超自然的な力を得る修行法をさす。
→関連項目インド医学ゴーシュサーンキヤ学派体操瞑想系身体技法

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト百科事典マイペディアについて | 情報

世界大百科事典 第2版の解説

ヨーガ【yoga[サンスクリツト]】

古くからインドで,心統一などのために広く用いられてきた修行法。〈ヨーガ〉という語は,もともと馬などを〈つなぐ〉を意味する動詞から派生した名詞であるが,一般には,心統一などを目ざす肉体的・心的な修練を意味し,現代インドでは,学校で教えられる体育のこともヨーガと呼ぶことがある。ヨーガの起源はよくわかっていない。インダス文明のハラッパーの遺跡から出土した印章のなかには,獣主(パシュパティ)としてのシバ神の前身を思わせる人物が,あぐらをかいて座っている姿を刻したものがあるが,これがヨーガにかかわりがあるのか否かについては定説がない。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

大辞林 第三版の解説

ヨーガ【yoga】

古代インドで広く行われた宗教的実践法。心身の統一・訓練などによって、物質の束縛から自由になることをめざす。近代になって宗派としての力は弱まったが、苦行による超日常的能力の開発法や神秘的瞑想法として、宗派を超えて実践された。現代では心身の健康法としても応用されている。ヨガ。 → 瑜伽ゆが

出典|三省堂大辞林 第三版について | 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ヨーガ
よーが
yoga

音訳は瑜伽(ゆが)。本来「結び付ける」意味のサンスクリット語で、古くは牛馬に道具をつけることを意味した。原始仏教経典では煩悩(ぼんのう)と同じ意味で軛(やく)(くびき)と訳される(欲、有(う)、見、無明(むみょう)を四軛という)。しかしのちには修行とくに心統一の行の意に用いられる。ヨーガの坐法(ざほう)を示す神像がインダス文明の遺品にみられるので、その起源もそこに求められるが、仏教以前の文献には心統一の行法としてのヨーガの語はない。それが初めてみえるのは、仏教以後の『カタ・ウパニシャッド』である。そこにはアートマン(我)に関するヨーガを体得することによって、心底に潜む見がたき神を念ずるといい、確固たる感官の執持(しゅうじ)(集中)をヨーガという。次の『シュベーターシュバタラ・ウパニシャッド』は、ヨーガの方法、坐法などや唯一神との合一を説き、『マイトリ・ウパニシャッド』は、呼吸の抑制、感官の制御、静慮(じょうりょ)(禅)、執持、推考、専心(三昧(さんまい))をヨーガの六支とよぶ。ヨーガ学派はヨーガの実践体系をまとめ、その根本経典『ヨーガ・スートラ』(3~5世紀)には、ヨーガを心の働きの停止とし、その体系を禁戒、勧戒(かんかい)、坐法、呼吸の抑制、感官の制御、執持、静慮、三昧というヨーガの八支にまとめる。このような修行を通して最後に心の集中・統一によって、心の働きとは別な霊魂(霊我)の存在を知り、霊我の本性に安立することを解脱(げだつ)とする。この派の哲学はサーンキヤ学派の体系に依存するところが多い。ヨーガは心統一のみならず、広く修行、行道をも意味する。『バガバッド・ギーター』(前2世紀ころ)では知と行為と神への信愛とをそれぞれヨーガとよぶ。後の新ウパニシャッドのうち、ヨーガ・ウパニシャッドの類は、ヨーガをマントラ(真言(しんごん))、ハタ(身体的努力)、ラヤ(無心)、ラージャ(王、最高)の四つに分類する。ハタ・ヨーガは流行し、スワートマーラーマ(16、17世紀)は『ハタ・ヨーガ・プラディーピカー』を著し、体位(体操)、呼吸法など肉体的・生理的操作を説いている。
 禅定(ぜんじょう)を重んじた仏教は初めヨーガの語をそれに限らなかった。しかし、弥勒(みろく)、無著(むじゃく)、世親(せしん)によって確立された唯識(ゆいしき)学派は、ヨーガ・アーチャーラ(瑜伽行(ゆがぎょう))派とよばれる。このヨーガは禅定の意である。その後に盛んになる密教においては、瑜伽(ヨーガ)とは仏との合一を意味し、密教経典は通常、所作、行、瑜伽、無上瑜伽の四つに分類される。[村上真完]
『金倉圓照著『インド哲学仏教学研究』(1974・春秋社) ▽佐保田鶴治著『ヨーガ根本聖典』(1973・平河出版社)』

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について | 情報 凡例

世界大百科事典内のヨーガの言及

【体】より

…その基礎には,東洋の宗教の修行法や東洋医学の考え方がある。たとえば,禅やヨーガや道教などの瞑想(めいそう)法や修行法は,心の働きと身体の働きが一体になった〈心身一如〉の境地を理想として追求している。また東洋医学の考え方は宗教と関係が深い。…

【禅定】より

…そして,身体を安静に保つ姿勢として座法が一般に用いられるので座禅(ざぜん)ともいわれる。しかし禅定は座禅のみでなく,仏教以外では,いわゆるヨーガとしてさまざまな姿勢が用いられている。また,禅宗は座禅宗ともいわれ,座禅をとくに重要視するが,禅宗のみが禅定を用いているのでもない。…

【ハタ・ヨーガ】より

…ヒンドゥー教の一宗派ナート派が伝えてきたヨーガで,13世紀ころの北インドの聖者ゴーラクナート(ゴーラクシャナータ)が開祖であると伝えられる。シバ派のタントリズム(タントラ)の教義にのっとり,気息という一種の生命エネルギーを利用し,クンダリニーという蛇の形をとって脊椎の最下部に潜んでいる性力(シャクティ)を覚醒させ,エネルギーの溜り場であるいくつかのチャクラを経由させながら脊椎沿いに上昇させることを目ざす。…

【瞑想】より

…東洋では,ヒンドゥー教,仏教,道教などの修行法としてひろく用いられている。ヒンドゥー教の伝統ではヨーガの一つの流れとして,ラジャ・ヨーガとかクンダリニー・ヨーガなどとよばれている。ヨーガの考え方では,瞑想には次の三つの段階がある。…

※「ヨーガ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

ヨーガの関連キーワードパーンチャラートラ・サンヒターダヤーナンダ・サラスバティーヘルマン・ゲオルグ ヤコービヨーガ、座禅の降圧効果ゴーシュ オーロビンドサーンキヤ・ヨーガ説プラティアーハーラリチャード ガルベビベーカーナンダS. ダスグプタ佐保田 鶴治ハタ・ヨーガクンダリニーオーロビンドパタンジャリ瑜伽師地論エリアーデ座法・坐法有瀬賢治タントラ

今日のキーワード

熱にうなされる(間違いやすいことば)

○熱に浮かされる 高熱でうわ言をいう意味の表現は、「熱に浮かされる」が正しい。また、物事の判断がつかなくなるほど熱中することも意味する。音が似ていることから混用され、「浮かされる」が「うなされる」に入...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android

ヨーガの関連情報