シリア北部のユーフラテス川流域に位置し、2015年の推定人口は約74万人。「千夜一夜物語」で知られるハールーン・ラシードが8世紀末に宮殿を置いた古都。シリア内戦下で13年に反体制派が制圧。14年1月以降は過激派組織「イスラム国」(IS)が支配して首都と称し、独自の司法や行政など「国家運営」を試み、従わない市民を徹底弾圧した。17年6月、米軍の支援を受ける少数民族クルド人主体の部隊が地上進攻を開始。10月に解放を宣言した。(共同)
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シリア北部,ユーフラテス川東岸の都市。人口約3万5000。ギリシア名はニケフォリオンNikēphorion,のちセレウコス2世の名にちなみカリニコスKallinikos。アッバース朝第2代カリフ,マンスールが772年に円形の都城アル・ラフィカAl Rafiqaを建設。カリフ,ハールーン・アッラシードの〈夏の宮〉の所在地として,またビザンティン帝国への前哨基地として知られたが,13世紀のモンゴル侵寇によって廃墟と化す。おもな遺構は,城壁,バグダード城門,ダマスクスのウマイヤ・モスクをモデルとしたマンスールのモスク(12世紀に再建)のファサードとミナレット,ハールーン・アッラシードの〈平和宮〉のイーワーンなど。また,ラッカは9~13世紀の単彩釉,ラスター彩,多彩釉,青釉黒彩文,ラカビー手陶器などの重要な窯場であった。
執筆者:杉村 棟
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