世界最大の花を開くラフレシア科の寄生植物。栄養体は糸状細胞列がブドウ科シッサス属植物の茎中を走り,花だけが寄主体外に現れる。褐色で白斑のある5弁の花被が十分に広がると,花の直径は約90cmとなる。花被は下部の鱗状苞とともに椀状に融合し,花の喉部(こうぶ)に絞り状の隔膜と中央に1個の蕊柱盤(ずいちゆうばん)がある。雌雄異株で,雄花は蕊柱盤の縁部に一重の輪になって多数の無柄葯をもつ。雌花は子房半下位で,蕊柱盤の底部に不規則の折りたたまれたような胎座があり,珠皮1枚の微小な側生胚珠多数を一面につける。雌雄花はともに蕊柱盤の上面に小枝状突起が散在するが,柱頭部はこれでなく蕊柱盤の縁である。果実は液果で,受精した胚珠は,その表皮の細胞壁が肥厚するのみで,ほとんど原形のまま微細な種子となる。種子には3~4個の細胞からなる胚を囲んだ一層の細胞からなる胚乳がある。子葉は未分化である。1818年にスマトラを探検したイギリス人の植民地総督官ラッフルズT.S.Rafflesによって雄花が発見された。学名はこのラッフルズとアーノルドJ.Arnoldにちなむ。その後,同属の約10種がマレーシア,スマトラ,ジャワ,ボルネオ,フィリピンで発見されたが,いずれも本種より小型である。
執筆者:渡辺 清彦
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…このため一般に熱帯密林に覆われる所が多い。直径1mもの世界最大の花をもつラフレシアはスマトラの原産である。動物はジャワに近いにもかかわらずボルネオと同一系統のものが多い。…
※「ラフレシア」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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