翻訳|lycopene
トマトやスイカなどに多く含まれる赤色(褐赤色)をしたカロチノイド色素の一種。リコペンともよぶ。カロチノイド(カロテノイド)は自然界に存在する、水には不溶で脂溶性の色素群で、活性酸素を除去して抗酸化作用を示すため、近年の健康志向のなかで機能性表示食品の成分の一つとして注目されている。一般に緑黄色野菜に多く含まれ、これらを摂取することでヒトの体内に取り込まれる。抗酸化作用の効果についてはまだ研究途上であるが、活性酸素を除去する作用による老化防止や、動脈硬化の予防、および血糖値の改善など生活習慣病の予防効果のほか、喘息(ぜんそく)症状の改善、美肌効果なども報告されている。また、血中コレステロールの酸化を抑制して血流を改善する働きや、癌(がん)の予防効果のほか、癌細胞の増殖を抑制する効果も報告されている。
[編集部]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…酸素を含まないもの(炭化水素)と含むもの(アルコール,ケトン,エーテル,アルデヒド,エポキシド,カルボン酸)に大別される。前者はカロチン,リコピン,後者にはルテイン,クリプトキサンチン,ゼアキサンチン,フコキサンチン,ビキシン,ロドキサンチンがある。水に不溶で脂肪を溶かす溶剤によくとけ酸化されやすく不安定。…
…分子の中央に存在するポリエン鎖をはさむ両端のイオノン環の構造によりα,β,γ,δ,εなど多くの異性体が存在する。リコピンlycopeneもカロチンの異性体であり広義のカロチンに含むこともある。β‐カロチンはその中で最も広く分布しまたその量も多い。…
※「リコピン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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