翻訳|lymphokine
抗原などによって刺激されたリンパ球が産生する生物学的活性をもった可溶性因子の総称。ほとんどはタンパク質で,分子量1万~10万。現在100種近くが報告されている。ごく微量で標的リンパ系細胞に強力に作用して,細胞性免疫応答を発現させたり調節したりする。おもなものにマクロファージ遊走阻止因子macrophage(migration) inhibitory factor(MIFと略記),白血球遊走阻止因子leucocyte inhibitory factor(LIFと略記),リンパ球の分裂を促進するマイトジェン因子mitogenic factor(MFと略記),リンホトキシンlymphotoxinなどがあり,インターフェロンを含めることがある。近年では広義にマクロファージが産生するモノカインmonokine(インターロイキンinterleukin-1ともいう)や非リンパ球が産生するサイトカインcytokineなどを含める場合が多い。
→免疫
執筆者:松山 正
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
リンパ球から検出される生理活性物質の総称.免疫担当細胞であるT細胞,B細胞,マクロファージなどの細胞間コミュニケーションに関与する.50種類以上が知られているが,この分野では命名法が複雑になってきたため,クローン化され構造が確定したものからインターロイキン(IL)何番というようになっている.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
…好中球がなぜ化学走性を示すのかはまだ十分に解明されていないが,化学走性を起こす因子にあるポリペプチド鎖と結合する受容体が好中球の表面に存在し,まずこの部分での結合が最初に起こると考えられている。単球の場合は,細菌,補体,リンホカインおよび抗原抗体複合物などが化学走性因子としてわかっている。また好酸球は,肥満細胞から放出される因子によって集まることが判明している。…
…このようなBリンパ球が分泌する免疫グロブリンによって生ずる防御形式を体液性免疫という。これに対して,Tリンパ球の関係する反応を細胞性免疫といい,リンパ球が直接異物(抗原)と接触すると大型化し,細胞を殺す能力を発揮し,リンホカインという物質を放出して単球や顆粒球の働きを活発にさせる。ツベルクリン反応で皮膚が発赤するのはTリンパ球の作用である。…
… このような体液性免疫のために働く細胞群のほかに,細胞性免疫に関与するT細胞群がある。たとえば遅延型アレルギーでは,マクロファージから抗原情報を受けとったT細胞は,分裂すると同時に,さまざまな炎症を起こすような微量活性物質(これをリンホカインlymphokineという)を産生する。このなかには,上記の,他の細胞に対して影響を与える分子群のほかに,それ自身毒性をもって細胞を障害するようなリンホトキシンその他の因子が含まれ,いわゆる遅延型過敏症を起こす。…
※「リンホカイン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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