フィリピン中部,ビサヤ諸島の島。北東部を一衣帯水のサン・フアニコ海峡によりサマール島と隔てる。面積7249km2,全国で8番目に大きい。人口約136万(1990)。海岸線は複雑であるが,北西~南東方向に並走する中央山脈,北東高地,北西山地の3本の山脈が島の骨格を形成する。降水量は中央山脈の東側で多く西側で少ないが,両地域ともに顕著な乾季を欠く。中央山脈の東側,カリガラ湾からレイテ湾に抜けるレイテ平野は,島内はもとより中・東部ビサヤで最大規模を誇る。低平地で稲作,周辺高地でトウモロコシ作が行われる。中央山脈西側のオルモック平野ではサトウキビ,レイテ湾沿岸ではマニラアサ(アバカ)栽培が盛んである。中央山脈からは良質な木材が切り出され,東岸のアブヨク町で製材される。地下資源としてはビリアバのオイルシェール(油頁(ゆけつ)岩),岩石アスファルト,バイバイ近くのマンガンが代表的なものである。島全体が2州に分かれ,住民は主としてワライ人からなる。第2次大戦末期の日本軍とアメリカ軍の激戦地として知られる。
執筆者:梅原 弘光
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
フィリピン中部、ビサヤ諸島東部の島。面積7750平方キロメートル、人口182万8816(1995)。全体に山がちで中央を北西から南東に山脈が貫く。最高点はルナス山(1350メートル)。東岸は年間を通じて雨が多いが西岸は比較的少ない。東半部にはサマル・レイテ人、西半部にはセブ人が住む。いずれも広義のビサヤ人に属し、キリスト教徒になっている。土地が肥沃(ひよく)なので各地からの移住者も多い。中央山地では良質の木材を産し、東岸では米、マニラアサが、西岸ではトウモロコシ、サトウキビなどが栽培される。太平洋戦争の末期、フィリピン奪回を目ざすアメリカ軍の上陸地となり、日本軍との間に激戦が展開された。中心都市はタクロバン(人口17万8639、2000)。1973年レイテ島北部東岸とサマル島を結ぶ大橋サン・ファニコ橋(全長2162メートル)が開通した。
[別技篤彦]
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